● Epilogue 2003年9月21日 大昔、地球は人間の想像が及ばない、偉大なる未知の世界だった。 見果てぬ海に向かって、羅針盤を頼りに船旅に出かけた人々…。 果たして自分が無事生きて帰れるかどうかも判らない旅路に出かけた彼らは、 その時、一体どんな気持ちだったのだろう? 時は流れ、文明は発達し、地球は随分狭くなったような気がする。 今やこの惑星では、瞬時にインターネットや衛星TVの情報が駆け巡り、 数時間、空を飛べば、異国の文化や人に触れることも可能だ。 過去、“恐怖” を “夢” や “好奇心” で克服してくれた人々の恩恵によって、 多くの情報が入る一方、残念なことに、厳格な意味での 「未知なる世界」 は 消え去っていったし、現代に、もはや 「人食い人種」 が存在しないことも 知ってしまった(笑)。 でも…、それは、ぜ〜〜んぶ脳ミソの中の理解に過ぎない。 お手軽時代は寂しい。「便利さ」 は、しばし 「可能性」 や 「夢」 を小さくする。 幸か不幸か、我々は2001年、「地球」 と呼ばれる惑星の 「日本」 という、 戦争も奴隷制度も飢えもない、職業選択の自由もある、平和な国で 大人になって生きていた。 100年前ならいざしらず、せっかくこんな自由な時代に生まれたのだから、 本当に必要な 「便利さ」 だけをチョイスして、“今の時代での究極の自由” を リアルに体感したい! そして “自由に楽しく生きている人” に会ってみたい! そう思ったのが旅のきっかけ。 そうして、ある程度のお金と時間から自由になった時、我々は旅に出た。 「地球」 という巨大なテーマパークを目指して。 唯一のテーマは 『Endless summer』。 自分達の “快適ゾーン” を探して、いろんな所に動いた。 そのつど、脳ミソでは理解できているつもりの情報が、実際体験したり、 五感で感じてみたりすると、とたんにリアルな世界に変わっていく驚きを感じた。 自分の足で歩いた地球は十二分に広かったし、 自分の目で見た景色は美しかった。 自分の耳で聞いた音は素晴らしかったし、 自分の鼻を刺激した匂いは忘れない。 自分の心で感じた人との出会いは深かった。 それはまるで、自分の乗った波を本当の意味では他人に説明出来ないように、 非常にプライベートな感覚だと思う。 2年間という月日が、実際どんな長さなのかも、まだピンとこない。 我々が旅に出ていた間、友人の中でも、結婚、離婚、再婚、出産、独立、 リストラ、転職と、様々な変化が起きていた。 きっと2年という時間は、いろんなことが出来る時間なのだろう。 「どこが一番良かったか?」 と聞かれるだろうが、 今はまだ旅を振り返る余裕もないし、どこもそれなりに面白かった。 そういうのは、いずれ時が経って過去を振り返る暇が出来た時に感じるのだと思う。 このHPは、最初はごくごく内輪の仲間の為に送り始めたメールだった。 旅先から送りっぱなしで、誤字脱字を修正することも出来ず、 勿論、自分でロクに読み返すことも出来なかった。だから、今、日本に着いて、 初めて最初からザッと目を通してみると、随分たくさん送ったなぁ… と思うし、 想像以上にたくさんの人が、このHPを観てくれていたことがわかり、 恥ずかしいやら、ビックリするやで、本当に驚いている。 “自分達の見ている世界を、あの人にも等身大で見せてあげたい! 遠く離れていても、同じ感情と空間を共有できたとしたら、どんなに楽しいだろう。 そうしたら、彼らも皆、我々と一緒に旅をしていけるのでは…?” そう思い、気軽に考え送り始めたのはいいが、すぐに後悔し始めた。 実際問題、見知らぬ旅先からメールを日本に送るのは、書くのはまだしも、 「送る」という作業が思った以上に大変なことだったのだ。 辺鄙な場所でメールを送れる場所を探し回り、やっとのことで送れる場所を 見つけても、そういう所は決まって古いPCしかない。いざ送り始めても、 眩暈を覚えるほど遅く、たった1通送るのに半日もかかる。 ようやく送れたと思ったら、最後にサーバーが落ちたりして、もうグレそうに なったことも少なくなかった(笑)。 でも、そんな時に限って、HPにアクセスしてきた見知らぬ人から、 「楽しく読んでます!」 とか 「止めないでくださいね。」 などの励ましメールが、 ワザトのように入り(笑)、おかげ様で最後まで送り続けることができ、 本当に感謝しています。特に、会ったこともない我々に対して、荷物まで送って くださった『のりこさん』、凄くうれしかったです。本当にありがとう! そして勿論、HPを作ってくれた『桑木くん』にも大感謝です。 旅の間、多くの素晴らしい人と出会えたことは忘れられない。 いろんな国の見知らぬ土地で、多くの人に助けられて、旅を続けることが出来ました。 旅で出会った全ての人に、本当に心から感謝します。 そして、こんな最高な時を一緒に過ごしてくれた『アキヤン』にも感謝してる。 2年間24時間、ほとんど一緒だった。そんなに長い間、他人と一緒にいたという 事自体、自分でも信じられないけど(笑)、おかげで楽しさや感動も2倍になったよ。 ありがとう!! 旅に出て多くの人と出会ったけれど、一番多く出会ったのは 自分自身だったことは言うまでもない。 そして最後に、このHPを見続けて、 一緒に旅をしてくれたあなたに心から感謝します。 Thank you so much !! |