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Vol.114 『Ra・ku・en』
 2003年9月19日

私はバリ島の自然の量と文明の入り方のバランスが好きだった。

世界中の未知なる「楽園」を求めて、様々な人々が移動している。
バリ島に最初に遊びに外国人が、ヨーロッパ人だったのは幸いだったと思う。
アジアの異国情緒+ヨーロッパのセンスが混じりあって、いい感じのリゾートの
基礎のようなものが出来上がったからだ。

その後、ついに!(笑) アメリカが入ってきて、『マクドナルド』、『ケンタッキー』、
『ハードロック・カフェ』、『スター・バックス』などが次々と島に上陸。
あっという間に美意識は合理化精神に乗っ取られてしまう。

そうして島はどんどん変化していく。

だからといって、「昔は良かった」と言いたいわけではない。
地球は生きている。島も生きている。人も生きている。生きている物事が変化する
のは自然の摂理だ。又、常に変化を喜べる自分でありたいとも思う。

だけれど、久しぶりに訪れたバリ島は、やはり“まだバリ”だった。

バリの段々畑
ヤシの木と段々畑。
こっちを見つめる牛
バリの牛。
私が世界で一番好きな動物。

タイドと潮周りをチェックして、先日「MADEWI (マデウィ)」に出かけた。
デンパサールの街中を通り過ぎ、一路西へと車を走らせる。

街中にいるとピンとこないが、バリ島は殆どが田舎だ。
ちょっと車を走らせれば、ヤシの木と段々畑の田園風景が広がっている。
そんな景色を見ると、思わず“懐かしい”と感じてしまう。
現実には、日本とは明らかに違うし、自分の幼児体験の中にもない景色なのだが、
それはどこか“アジアの原体験”のイメージを感じさせるから不思議だ。

世界中から観光客が来てるのに、まだ牛が歩いていたりする。
そういった意味では、やはりここは、“最後の楽園”なのかもしれない。

車で向かう途中、雨が降り出す。
結局、降り止まないままに、2時間程のドライブで「マデウィ」到着。

マデウィ
MADEWIポイント前のワルン。
ローカルがちょっとしつこい。
アキヤン&GO
ポイント前のワルンにて夕食。
恐ろしくボロいメニューに驚く。
こんなん客に出していいのか?!

早速、ポイントをチェックに行くも、雨は土砂降り。海は荒れ気味で、
波はデカイが超ストロング・カレント。勇気あるサーファーが数人入って行ったが、
出た途端に流されていた。波に乗るどころではない。

「マデウィ」のローカルは面倒なことで有名(Tシャツ買えとか言うらしい)だが、
日本語を喋って妙に馴れ馴れしいのが多い。ワルンにたむろしている地元民も
波乗りをしそうにもないくせに、「今日、波イイヨ!入れば〜?」と、
適当なことを平気で言う。

ロング向きの波! と期待して来たのに、海は荒れててよくわからない。
あいにくの天気に、次第にテンションも下がり気味だ。
迷った末、1泊して翌朝に賭けることにする。

部屋の入口
泊まった安宿。
アキヤン&GO
部屋の中で爆睡。

ポイント近くには、1軒のホテルと、安宿が数軒あるだけ。
日が暮れると何にもすることがない。この際、どこに寝ても一緒だろう! と、
ポイント前の安宿に3人で泊まる。
明日の波を期待しながら、この日はこのまま ZZZ …。

早朝、天気はまだ雨交じりの曇り空。
それでも海は昨日より落ち着いて、すでに入っているサーファーもチラホラ。
早速、着替えて海へ。

GO
MADEWIの波に乗る GO
アキヤン
同じくアキヤン

「MADEWI(マデウィ)」は、湾に沿って波がブレイクしている。
ボトムは玉石と聞いていたが、玉石というより、玉岩(デカイ)。
波質はメローだが、たまにちょっと大きめのセットがくる。

グゥーフィー・オンリーの波だが、面は広くて、ゆっくり崩れるので、
確かにロング向きの波だろう。結構、長く乗れる。
サイズはあるものの、本領発揮の波ではなかったように思う。
天候が悪かったのが残念。やはり、波乗りは晴れた日が断然楽しい。
次回は、晴れた日の美しい波をみたいものだ。


一面緑の水田

ライステラスが広がる。
柱にスイカ!
道路沿いにあるスイカ屋

帰る道すがら、ライステラスで農作業に励む人々の姿が目に入る。
バリ人の中には、観光収入が入ってくるようになって、「俺も儲けたい」という人も
増えたが、「観光なんて知らね〜。」といった人もまだまだ大勢いる。

“友達を作る天才” バリニーズの笑顔の下にも、ちゃんと人間臭さがあり、
経済格差に不安を抱いていたり、見栄っ張りだったりもする。
しかしその一方、こんなに発展しても、お金にキレイで負けてない人も多い。

この辺りの畑で働いている人々は、観光の還元では生きていない。
こういう風景がなくならない限り、この島は、“まだ、バリ”で有り続けるのだろう。

Surfing a GO GO
旅の間持ち歩いた「Surfing-a-go-go」も、
すでにボロボロ。こんなになっちゃいました。
旅の間、持ち歩いた本、
『Surfing a go go』とも、
ここでお別れ。くたびれ果てて、
ページもすべてバラバラになり、
今や、どれがどこのページかも
おぼつかなくなってしまった(笑)。
間違い情報もいろいろあったけど、
それも今はすべて笑い話。
実際、かなりお世話になりました。

波乗りをメインに来たバリ島
“アバラにヒビ事件” というアクシデントに
見舞われたものの、波のある生活はやっぱりうれしい。
GO が加わって、より波乗りが楽しくなった。

GO&アキヤン
エアポート・レフトの波。 2人仲良く一緒にテイクオフ?


Photo by KENJI
いい波でした。

毎夜、眠りにつく前に交わす言葉は、
「明日は何時にどこに入る?!」
皆立派な大人なのに、まるで子供のようだ。

別に何にも特別なことをしていないのに、あっという間に時が過ぎていく。
そういえば、“子供の頃の夏休みは、あっという間だったなぁ…” と思い出す。
毎日楽しんでいるうちに、あと数日で夏休みが終わりって気がづいて、
あせって宿題をに手をつける。慌てて絵日記1か月分まとめて書いたりして… (笑)。
こうしてメールを無事書き終えられたのは、大人になった証拠かもしれない。

思わず背伸び…
「あ〜終わったぁ…。」
メールを書き終えた瞬間!
花
これぞ南国の花!
本当に世界中で見た。

旅に出て2年間。
気づくと曜日の感覚がなくなって、そのうち日にちの感覚がなくなり、
最後は月の感覚もなくなった。

そんな状態でずーっと生きてきたのに、ふと気がつくと3日後には日本だ。
信じられない…。

これから行く国は 「JAPAN (日本) 」
高温多湿で四季がある島。戦後、経済大国にのし上がったものの、
現在は不況が続いているという。物価は高く、人口も多い。
どこもかしこも清潔で、街には物が洪水のように溢れている。街のスピードは早い。
素晴らしい電化製品を作っていて、本を上から下に読む国。
勿論、波もあるらしい。

今度の国は、今までとは随分違う。
言葉も自由に喋れるし、文字も読める。
貨幣制度も社会のルールや習慣もわかっている。
何よりも、世界中で最も友達が多く住んでいる国なのである!
本当に楽しみだ。

新たな感動と素晴らしい人との出会いを求めて。
旅はまだまだ続く…。
See you soon !!

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