Vol.45 『Los Cabos』
  2002年7月20日

ホノルルからロス・アンジェルスに着いたのは、早朝のことだった。
ロスの空港で、眠気と戦いつつ、待つこと5時間。
ここから目的地のロス・カボスまでは、2時間20分のフライト。あっという間だ。
地図
右下の赤枠内がロス・カボス

ロス・カボスは、バハ・カリフォルニア半島の
最南端に位置する“ランズ・エンド”である。

有名なリゾート地「カボサン・ルーカス」
そこから約35km離れた落ち着いた風情
のある町「サン・ホセ・デル・カボ」
その2つの町を結ぶ沿岸の細長い地区の
「コリドール」の3つのエリアの総称が
ロス・カボスと呼ばれている地域だ。

ロス・カボス国際空港に着いたのは午後3:00。
突き刺さるような日差し。・・・・・暑い。
空気は乾燥していてほこりっぽく、ここが確かに砂漠の地なのだということを教えてくれる。
汗さえも蒸発していきそうだ。

空港近くでレンタカーを借りようとしたが、ほど良いものがなかったので、
とりあえず“乗合いバン”で、前もって予約していたホテルに向かう。
ちょっと外を歩いただけなのに、なんだかフラフラする。
睡眠不足に加えて、この暑さ。無理もない。
あらかじめ、3日間だけホテルを予約していたことに感謝する。
この猛暑の中、いきなりホテル探しは、さぞかし辛かったろう。

バルコニー
「Misiones Del Cabo Resort」。

「Misiones Del Cabo Resort」は、
コリドール地区にあるホテル。
部屋はほどよく広く、景色もきれい。
高級ホテル風のその造りに、
一瞬、“快適ホテルライフスタイルか?”と、
思わず期待も高まる。

ホテルに入った時にはすでに夕方。
街に出る体力が残っていなかった為、
この日はこのままダウンすることに…。

しかし、翌朝、早速事件は起こる。
寝ぼけ眼で顔を洗おうとしたのだが、なんと、水が出ない!!
シャワーもトイレも、蛇口という蛇口をひねっても一滴も出ないではないか!?
フロントに電話すると、「2時間後に出る」という。しかたなしに2時間また寝て起きてみると、
やっぱり水は出ない。もう一度フロントに電話すると、「夕方までには出る。」との返事。
不満を残しつつ、待ってもいられないので町に出ることにした。

「カボ・サンルーカス」ロス・カボスの中心となる町。
マリーナが広がり、ホテルやレストラン、レンタカー・オフィス、インターネット・カフェなど、
観光客相手のものならなんでもそろっている。
その昔、ハリウッドスターが訪れることから世界中に知名度が知られるようになったこの地は、
わずか30年程前から始まったリゾートの道を、着実に歩いている風である。
町
Cabo San Lucasの町。
ハードロックカフェ
お馴染みの「Hard Rock Cafe」も、
入口にサボテンが…。

町を探索して、一通り、レンタカーや物の値段の相場をチェックしてみる。
結構高い。観光業で成り立っているから当たり前か…?
町の規模もそんなに大きくないので把握するのは簡単だし、ここでは英語も割りと通じる。
但し、日中歩き回るには少々辛いほどの暑さだ!
メラメラビシバシの殺人光線を逃れる為にしばし休憩。

メニュー
メニューもスペイン語だ!
プリンスクヒオパーク
コーラを頼んだだけなのに、
“つきだし”の様に出てくるナチョス。
おいしい〜。
現地初挑戦のメキシコ料理は、おいしかった。
タコスも本場はやはりウマイ!! 意外なおいしさにまずは一安心。
町も一歩裏道りに入ると、落ち着いたたたずまいになる。

標識
町の標識がカワイイ。
裏道り
裏道りは落ち着いた感じ。

モンクシール
「Squid Roe」
町のナイトスポット。
日中は殺人光線のこの町も、
夜になると一変する。
暗闇と共にほこりっぽさも消えたかの
ごとく、砂漠の蜃気楼のように、
ライトアップされていく。
ナイトスポットである店の中には、
人がひしめきあっていて、
もの凄い盛り上がりだ。
ここは夜の方が面白い場所かも??

クタクタになってホテルに戻る。不安なまま蛇口をひねると・・・・・やはり水は出ない!!
フロントに行って苦情を言うと、それならと違う部屋の鍵をくれる。
これでシャワーをあびてくれということらしい。そんな部屋があるなら変えてくれと言うと、
それは出来ないという…。「あと20分後には水がくる。」というホテルマンの言葉も、
にわかに信じがたく、とりあえずシャワーを借りておく。

自分達の部屋に戻るが、案の定、水は出ない。
フロントに電話しても、「あと30分後だ。」とか、「深夜までにはなんとか…。」とかで、
延々埒があかない。終いには、トイレ用の水をバケツに入れて持ってくる始末。
とうとうその日は水が出ないまま寝ることとなった。

翌朝。当然のごとく微動だにしない蛇口。
とりあえず無視してプールで時間をつぶし、部屋に戻ると、なんとバスタブに水が溜まってる。
嫌な予感…。蛇口をひねると相変わらず水はでない。
これでトイレの水流せとでもいうのか???

我慢もついに限界に達し、フロントに苦情を言いに行くも、またしても、
「もうすぐ、水がくる。」と言うではないかっ! もう全然信用できない。
よくよく追求すると、近じか「APEC」がこの地で開催されるらしく、それに備えての
道路工事で、間違って水道管を壊してしまったらしい。
「コリドール」「カボ・サンルーカス」地区は、隣の「サン・ホセ・デル・カボ」地区から
水を引いている為全滅で、大きなトラックで水を運んできてるらしいのだ。
それならそうと、早く言えよ〜!
サボテン
サボテン。

「こんな所でやるなよAPEC…。」
この分じゃ、いつ水が来るか
わかりゃあしない。
これはもう移動するしかないでしょう?

“砂漠に水なし”は厳しい。
サボテンを見つめながら、
心からそう思うのであった。

前途多難なメキシコ入り…。
さて、これからどうなるのであろうか???

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