Vol.47 『San Pedrito』 2002年7月31日 ここロス・カボスでは、本来、夏はコルテス海側、そして冬は太平洋側にスウェルが入る。 ただし、コルテス海側に波が無い場合、まれに太平洋側がいい時もあるらしい。 そこで今回は太平洋側に波チェックに…。 目的地は、滞在先から車で走ること約1時間半。 トドス・サントスの手前あるサン・ぺドリートだ。
太平洋側に向かう道路沿いには、見渡す限り、サボテンだらけ…。 日本で見かけるようなサボテンのイメージからは程遠い、まるで“木”のように大きな サボテンがそこら中に生えている。こういう景色を観ると、確かにメキシコにいるんだなと思う。
道路左側に門が見えたらそこをくぐる。そのままひたすらまっすぐ進む。 前もって、「運転する時はこの辺、牛が出るんで気をつけて。」と 聞いてはいたが、実際、この眼で牛が道路を横切って行くのを見ると、やはり驚く。
一軒のレストラン&バーとちょっとした宿泊施設の他は、なんにも無い。 シンプルで、気持ちの良い場所だ。
この日の波はセットで頭くらい。 広いビーチに入っているのは、 我々以外は、2人しかいない。 ほとんど貸切状態だ。 日本の混雑した海を考えると、 信じられない贅沢かもしれない。 海からあがって、レストラン&バーで ビールを一杯飲む。喉に沁みていく…。 こちらに来て、やたらビールを飲むようになった。 暑さのせいか(?)どんだけ飲んでも酔わない。乾燥していて汗もかかないので、 きっと蒸発しているのだろう。
帰り道すがら、通りにポツンと1件だけある土産物屋に入ってみる。 一日に一体何人の人が訪れるのか心配になるくらい閑散とした空気だ。 中は以外と清潔で、置いてあるものも案外可愛い。 日本でも、たまにメキシコ雑貨の店を見かけたことはあるけれど、 なんだかゴチャゴチャしていて惹かれたことはなかったが、ここで見ると随分イメージが違う。 きっと、この風土と光、そして空間の広がりが全部セットになってこそ“スタイル”に なるのだ。
旅していると感じるのは、 時の流れ方が場所によって違うこと。 写真や本やTVの世界じゃなく、 皮膚感覚で感じる世界。 ここではシンプルな日常なのに、 あっという間に時が過ぎていく。 時間がワープしていくみたいだ。 白っぽい土と砂埃、岩山、サボテン、 見たことのない不思議な植物達、乾燥した空気、 スペイン語、メキシコ人、透明な水、ペリカン、 パワフルな波…。 結構、遠い所に来てるよなぁ。 |