Vol.57 『Mexico City #2』
  2002年10月1日

実は、メキシコの広大な国土には様々な世界遺産が点在している。
チャルペック公園内にある「国立人類博物館」は、世界有数の規模(12万5000m2)を誇る博物館だ。
この地に栄えたテオティワカン、マヤ、アステカなどの各遺跡が展示されていて、
まともに観たら3〜4時間はかかる位広い。

太陽の石
太陽の石。
雨神像
テオティワカン遺跡の雨神像。

観る前はさして興味がなかったのだが、行ってみると、実際ここはかなり見ごたえがあった。
古代文明の遺跡は想像より大きく、量も豊富だ。
脳ミソはいきなり“世界史”の世界にワープする。観光に勢いづいた我々は、やはり現物を
見てみるかといきなりメキシコ最大の都市遺跡、テオティワカン観光へと向かったのだった。

シティより北に約50km。紀元前2世紀頃に造られたラテンアメリカ最大の
宗教国家「テオティワカン」
紀元前4〜7世紀頃には繁栄の頂点を極めるが、8世紀頃に謎の滅亡をとげた。
彼らがどこから来たのか、滅亡とともにどこに消えたのかは、未だに解明されていない。
巨大古代都市遺跡として、勿論、世界遺産に指定されている。

実際にこの目で見るまでは、学生時代の世界史の本やガイドブックの写真のしか
見たことがなかったので、山の奥地の砂漠地帯にあるような埃っぽい
白黒のイメージだった。
アキヤンに至っては、手塚治の漫画「三つ目が通る」で初めて知ったレベルなので
お話にならない。

ところが実物のテオティワカンは…
サボテン
遺跡の周辺にはサボテンがいっぱい。
コアトル
ケツァールコアトルのピラミッド。

周囲には、砂漠どころか緑溢れる景色が広がっていて、この地が肥沃な農業地帯だった
ことを物語っている。今が雨季のシーズンだからというのもあるのかもしれないが、
足元の大地は緑の芝生でおおわれ、サボテンや小さな花がたくさん咲いていて、
辺り一面に花の香りが漂っている。
風も気持ちよく、美しい高原の中に無数のピラミッドがある!という感じ。
死者の道
「死者の道」と呼ばれる
南北に貫く道。
太陽の神殿
世界で3番目に巨大な建造物、
「太陽の神殿」。

広大な敷地内には巨大なピラミッドや神殿があり、平和的な神政政治が行われ、
数学・天文学などに秀でた高度な文明を持っていたといわれている。
テオティワカンという名称は、14世紀に遺跡を発見したアステカ人によってつけられた。
荘厳なピラミッド群を見て神が建てた場所と信じた彼らは、
この地を、テオティワカン神々が住む場所という意味)と名づけたのだ。
花
ピラミッドの階段や壁にも花が…。
月のピラミッド
「月のピラミッド」

陽射しはきついが、空気は澄んでいて気持ちいい。ピラミッドの上からの景色も最高!
しばらく頂上でボーっとしながら、過去の謎の文明に思いをはせてみる。
今は石面がむきだしになっているピラミッドも、以前はしっくいで覆われ、
顔料で壁は美しく彩色されていたらしい。
かなり保存状態の良いレリーフとか、壁画も残っているのでイメージもしやすい。

「百聞は一見にしかず」とはよく言ったものだ。
やはり思い込みはいけない。こういう時に、世の中には写真や本や人の話だけではわからない。
自分の目や体験を通して初めてわかる世界があることを、ようやく思い出すのだ。危ない危ない…。

ただし、ここはかなり広く、まともに歩くとかなり疲れるので気合を入れて行ったほうがいい。
運転手を頼んで、要所要所だけ車で回ってもらうのも良いかも?(現に我々はそうした。)
そうするとかなり時間を短縮もできるし、イイとこ取りで楽しめる!

メキシコ・シティに行く前は、「6日間も何するよ〜。」といった感じだったが、
行ったら行ったで観光熱に浮かされ、寝る間も惜しんで動き回りヘトヘトになってしまった。

普段はタクシーやぺセロ(小型バス)を利用することが多かったが、
フィリックス
お抱え運転手の
フィリックス君。いい奴!
どうしても遠い所に行く時とか、治安の悪い
場所に行く時にはホテルのタクシーが安全。
相場は1時間 160ペソ。

そんな我々の心強い味方になってくれたのが
「クリスタル・ロッサ」のホテルタクシー運転手、
フィリックス。33歳2児の父。
ぼったくりタクシーの多いなか、
かなり安い値段で付き合ってくれた。
融通も聞くし、真面目で安心。
いい奴だよ!

「メキシコシティに行くなら“東京”に行きなよ!」と、ロスカボスにいるころから噂は聞いていた。
なんと創業30年の日本食レストラン「東京TOKYO」。ソナ・ロッサ地区にある。
東京TOKYO
「東京TOKYO」で働く唯一の
日本人スタッフ、小寺 雅行さん
オーナーが九州の人ということで、「ちゃんぽん」や
「さつまあげ」などもあり、まさに日本の定食屋!
値段も良心的でおいしく、滞在ホテルのすぐ近く
ということもあり、毎日足蹴く通った。

北海道旭川出身の小寺さんはメキシコ在住7年。
この店で小寺さんを見ると、思わず
ここがメキシコだということを忘れてしまう。
ものすごく親切な人。
いつまでもお元気で!

最後に、「メキシコ観光」中軽米さん、いろいろお世話になりました。
シティ到着後たまたま訪ねたのが縁で、ホテルも格安で紹介してもらったし、ツアー客でもない
我々の調べ物を手伝ってもらったり、スペイン語の本をもらったりと、
ご親切本当にありがとうございました。
おかげで、シティライフを満喫しました。

いよいよ明日からは次なる国、コスタリカに向かう。

聞くところによると、国全体がサファリ・パークの様な所という噂が…。
果たしてこのHPにちゃんとメールが送れるのか? 行って見なけりゃ分からない。
“未知なる国”に心は躍る。

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