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番外編 『2005年海南島への旅 (1) 』
 2005年1月

久しぶりに日本での年越し。
のんびり餅食べてTV観るのもいいものだが、
寒〜い冬にちょいと嫌気がさしてきたのも本音である。

そこでかねてから気になっていた場所に急遽行ってみることにした。
目指すは中国!!

“中国でサーフィン?”と、疑問に思われる方も多かろう。
世界広しを言えども、サーフィン業界では中国というのはまだまだ未知の世界。
勿論、我々自身も初めての経験である。

場所は“中国のハワイ”と呼び名も高い『海南島』。
実はこの島、2年間の世界旅行の間にある人物から聞いていた場所で、
かねてから気になっていた島であった。

一年中常夏というし、なんたってまだ中国人ローカルというのが存在していないので、
海もガラガラで空いてるという噂・・・。“波もメローでいい感じ”と聞けば、
これはもう行くしかな〜〜〜〜い!!

ただし難点は車の問題。
かの国では、国際免許が使えず中国免許のみ運転可なので、
基本的に外国人は車を運転出来ないのだ!今回の短い滞在でポイント探しから
始めるのはちとキツイ。しかも英語もほとんど
ラウンジにて
SAKURAラウンジにて。旅の始まり。
通じないらしい。今回は必然的に現地サーフガイド
を雇うこととなる。

そうして大した情報収集もしないまま、
海南島に乗り込んだメンバーは、
アキヤン、そして秋山グループの
盛田土居野、アキヤンの先輩
“ジャンボさん”こと保坂さんの計5名。

広州空港
広州空港。
むちゃくちゃ広〜〜い!
空港
サーフボードは大型荷物扱い。
追加料金を取られ、ここで預ける。

1月6日早朝、成田から広州に飛ぶ。広州空港は想像以上に巨大な空港だった。
広〜い空間に意味不明に高い天井…。発展する中国の経済力を垣間見た感じだ。

トランジットの時間が3時間もある!と当初は心配していたのだが、
巨大な空港内、国内線の乗り換え手続きをして、『元』に両替したり
食事したりしてたらあっという間だった。
ここから海南島の主要都市海口までは1時間のフライト。

飛行機のタラップを降りると、“ん??!”
なんか… 寒い!! すでに日が暮れてるとはいうものの空港の周りは霧っぽく、
空気は冷たい。気分はすっかり常夏モードだったので、いきなりテンション下がる。
任さん
現地ガイドの任さん。
夜になると人が変わった様に元気になる。

米川夫婦

サーフガイドの米川夫婦。

空港には現地中国人ガイドの任さんが迎えにきてくれていた。
ポイント近くのホテルまでは車で2時間かかるらしい。
そのまま空港で食事をして、関空から来たジャンボさんと合流。
関空からは直行便が出ているので関西方面から来る人は楽チンだ。

ホテルがある島の南部に向かって、夜の高速道路をひた走り、
ホテルに着いたのは夜10時近くだった。
ここで現地サーフガイドの米川夫妻と会う。

チェックインして入った部屋は小奇麗で新しかった。
しかし、なぜか部屋の中には冷蔵庫が無い!?
聞くところによると、今だ建設途中で設備が整ってないのだという。
“ふ〜ん。そんなもんか。” と、その夜はとりあえず部屋に集まって飲む。
皆、明日の波乗りにワクワク逸る気持ちを抱きながら、この日は就寝。

ホテルロビー
ホテルロビー。ご立派!
ホテルフロント
フロント。
ホテル外観
滞在ホテル。

翌日の7日。
起きてホテル内で朝食。
朝粥とザーサイ、肉まんと蒸し饅頭、
チマキといった品揃え。
寝ぼけ眼でボーっとしながら食べる。

香水湾のビーチ沿いに建つその
ホテルは『香水湾度暇酒店』という。
タイのプーケットなどによくある
一見リゾート風の水上ホテルで巨大な建物。
今だ建設中の為か?それとも
中国というお国柄がそうなのか?
外見のわりにはまだサービスが追いついてないという感じだ。

車で出発

朝、ボードを積んで出発!
天気は曇り空。
予想に反して肌寒い。
とりあえず、ロンTに短パンで
出かけることにする。

ボードを車に積んで、
いざ出発〜〜〜!


途中の風景
この辺りはかなり田舎。
畑には水牛が…。
オート三輪
よく走ってるオート三輪トラック。

サーフガイドの米川さんに連れられ、まずは最初のポイント「やわらかレフト」
チェックする。日月村にあるこのポイントは、雑誌でも紹介されたこともある
その名の通りメローで乗りやすいレフトの波とのこと。
しかしこの日は残念ながら波がなかった。日本人が1人だけ入っている。

“さすがに人がいないなぁ〜” と感動していたら、
米川さんから「いやぁ〜昨日まで日本人が100人くらい来てたんですよ〜。」
と、ショッキングな話を聞かされる。なんでも雑誌『サーフトリップジャーナル』に
特集記事が載ったらしいのだ!年末のスマトラ沖地震の影響もあるとは思うが、
ポイントブレイクに100人とは…。時期をずらして来て良かった。

それにしても雑誌やメディアの影響力は恐ろしい。
“人がいない”のが最大の魅力なのに、それでは台無しである。
海南島』も、もはやパラダイスってわけにはいかないのか…?

そのまま「亀ロック」をチェックしに行くも、ここもイマイチ。
それならば… と移動したのが、名前がまだついてない“河口のポイント”
サイズは膝、腰だが、とりあえずまずは海につかろう! とここで入ることにする。


橋の手前に車を止めて…。

川を横切るとビーチ。

橋の近くの道路沿いに車を止め、ボードを担いで下に降り、
河口の川を横切ると、ビーチがあり、そこがポイント。

水温はスプリングでちょうどくらい。どうやらこの時期は温水ってわけではなさそうだ。
「この時期、天気はこんな感じですか?」米川さんに聞くと、
「そうだね〜。大体曇ってるね。晴れると波が無いんだよ。」との答え。
しかたなくウェットを着る。うっ、しかも正月太りでウェットがキツイ。
常夏の暖かい海でウヒャ〜! …の夢は儚くもここで砕ける。

それでも久しぶりの海は気持ちイイ。
曇り空だからわかりにくいものの、海の水は綺麗だ!
波は膝腰でも、海には自分達以外は誰もいない。
皆思い思いにそれぞれ中国初乗りを楽しんだ。

レストラン
屋台海鮮レストラン。
みんなで昼食
メニューはもちろん中華!

ウェイトレス
女の子はなぜか全員ミニスカ。
昼食は近くの屋台レストランへ。
なにやら廃墟のような建物(リゾートホテルに
しようとして衰退したらしい)の奥に入って
いくとそこが海辺。デタラメな建て方の
海鮮屋台風レストランがある。

メニューも読めず、何を食べたらよいのかも
わからず、ガイドさんにお任せすると、
もの凄い量の食事が運ばれてきた。
出てくる料理をそのままに食べてたら、
苦しいくらいお腹一杯になった。
その後、“午後どこに入ろうか?”と相談するも、
今日はどこも波がイマイチらしい。
予想に反した寒さにすっかりメゲて、「温泉でも入りたい気分だね」 とつぶやくと、
「ありますよ〜」ゆうちゃん(米川さんの奥さん)。
ウソのようだが、車で1時間くらいの場所に最近出来た「温泉リゾート」 があると言う。
“よっしゃぁ〜そこ行こう〜!” と一路、温泉へ…。


「南田温泉」

極楽極楽…。

『南田温泉』というそのリゾートは、結構本気のリゾートであった。
外国人(特にロシア人)も沢山いて、中は広大!
なんでも大小50個近い屋外温泉があるらしい。
全部入ろうと思ったら、ゆうに一日はかかりそうだ。

ガイドの任さんはニコニコしながら 「これから500個くらいまで作るんですよ〜」
語っていたが、そんなに作ってど〜するんだろう?
古文の世界じゃないけれど、中国って大げさでよくわからないとこがある。

冷えた体に温泉はうれしい。
こんなところで、ビール飲みながら温泉に入れるなんて最高だ!
米川さんに近年中国事情を聞きつつ、日が暮れるまで温泉を堪能したのであった。

そのまま夜は陵水の海鮮レストランで食事。



中華三昧。
50度近い酒
50度近い地元の酒。
イタリアのグラッパみたいな感じ。

またしても大量の料理! 出されるがままに食べるが、お腹はパンパンになる!
とてもじゃないけど全部食べきれない。
任さんに、「もう無理!なんでこんなにたくさん頼むの?」と尋ねると、
「中国ではたくさんとって残すのが礼儀で、全部食べるのは貧乏臭いんですよ。」
という答え。なんだそりゃぁ? どーでもいいけど早く教えてよ〜〜! 
これ以降、一同、御飯は無理せず残す事にする。

しかし…、常夏サーフトリップのはずが、事態はにわかに “温泉&中華三昧ツアー”
と化してきている。このままでは何しに来たかわかりゃしない。
“そうだそうだ、我々は中国に波乗りに来たんだよ〜!”

そう思い出し、「明日の波はどうですかねぇ?」米川さんに尋ねる。
すると、「基本的に風波なんで、夜に風がビュービュー吹いてると翌日いい波
立つんですよ。」
との返事。今夜は昨日よりは風が吹いている。
ということは、明日こそはいい波に当たるかも…?
期待に胸が膨らんできた。

(つづく)

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