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『ジャワ島トリップ』
 2008年3月

去年から気になっていたセントラルジャワにサーフトリップに行って来た。

ただでさえ慌しい3月に行ってる場合ではないという話しもあるが、
“人生急いでのんびり遊ぶ” ことに決めたので、仕方がないのだ。
いろいろと予定をこなしているうちにあっという間に時が経ち、
どんなところかまったく見当がつかないままに出発当日を迎える。

成田からバリ島のデンパサールへ。
もう何回降り立ったかわからない空港。先月も来たし…。
ここから国内線に乗り換えジョグジャカルタに飛ぶのだ。

ジョグジャカルタに着いたら日はとっぷりと暮れていた。
空港近所のレストランで食事をとると、そのまま夜道を車で激走すること7〜8時間。
うつらうつらしてるうち深夜3時に現地到着。まだ真っ暗。

波の音が聞こえるので海の前なのだろう。
ホテルは想像していたより数段キレイだった。
そのままチェックインしてベッドで Zzz…。

バリの夕日は綺麗!

ホテルはシンプルだけどスタイリッシュ。


朝、目覚めてバルコニーに出るといきなり海が見える。
どうやらこの目の前が噂に聞いていたポイントらしい。
ロータイドにならないと波が立たないというので午後まで待つ。


今回の滞在ホテル。まだ新しい。


部屋からポイントが見える。

『indoブレックファスト』
ようは「ヌードルスープ」! 激ウマ!!

カワイイ♪

やがてうねりが入ってきた。
さっそく海に入る。
水は暖かい。水着で充分だ。
右足骨折のリハビリを兼ねてここまでやって来た。
直前まで、“ようやくまともに歩けるようになった程度なのに波乗りなんて大丈夫かなぁ?”
と心配していたのだが、ここはビーチなのにポイントブレイクで下は砂。
サイズもこの時期は腿〜腰胸のスローなロング向きの波なので、とっても安全なのだった。
しかも一旦乗ると、延々ロングライド出来る楽しい波。

何本か乗ってみるが、なかなかぎこちない。
運動自体が久しぶりなので無理はない。
それでも3日目には足の親指の感覚が戻り(骨折以来、ずーっと感覚がなかった)、
ようやくいい感じでテイクオフ出来るようになった。 う ・ れ ・ し ・ い〜〜〜♪
骨折から2ヵ月半。
ここまでくるのに長かった…。


ホテル前の波はスモールコンディション。
本領発揮は6、7月かな(?)

波質メロー。

それからというもの毎朝5時、日の出と共に海に出て1ラウンド。
午後から夕日が沈んで真っ暗になるまで波乗りした。
オン・ザ・ビーチに宿泊しているこその特権である。

ハイタイドの時は 『リーフ』 と呼ばれるポイントへ。
ここはサイズもあって早い波。ショートボード向きの波だ。
ボートを借りて岬の向こう側まで行けば、誰もいないポイントがある。
ダブルくらいまでホールドするそうだ。


村の様子。


『リーフ』ポイント前。

近所のワルン。

チェック時はここに食べたものを書く。
自己申告なのだ。田舎だねぇ…。

ここはジャワ島の中央南の海沿いにある小さな漁村だ。
村の中にはワルン(食堂)が3軒、バンガローのような宿泊施設が数軒。
ワルンでの食事は財布いらず。食事したらノートに自分の食べたものを書き込み、
あとでまとめて払えばいい。つまりツケ!

波が無い時は、バイクに乗って近所をウロウロする。
ノーヘルでバイクに乗れる場所も久しぶりである。
村周辺は緑が濃く、大きな川や畑が広がっている。ヤシの木とバナナの木。
対向車もほどんど来ない道をのんびりスピードでバイクで走るのは最高だ!
村人は目が会うと手を振って挨拶してくれる。


バイクでのんびり動くのが調度いい。

写真撮ってたら、満面の笑顔で手を振られた。
まだまだ素朴な村なのだ…。

ガソリンスタンド。
じょうろで注ぐ店員の男の子。

この村の子供達は本当に
幸せそうな笑顔で笑う。


夏の空。

なんだか30年前のバリみたい…。
TVを見ることも無いし、
インターネット・カフェも無し。
スタバもマックも無い。
サブ・プライムローン問題の
影響ももちろん無さそうだ(笑)。

視界の中に緑がいっぱいで空の広〜い!
気分がスコーンとどこまでもどこまでも
抜けていく。


日の出と共に海に出て波乗り。だらだら…。
午後から日が暮れるまでまた波乗り。だらだら…。

暇な時はローカルのドヨアナコンダ(我々が勝手につけたあだ名。本名ウッチン)と
『グリーン・キャニオン』と呼ばれる洞窟に行ったり、町でTシャツを
オーダー・メイドで作らせたり、地元の『歌謡ショー』を見に行ったりと、退屈はしない。

夜のB・G・Mは「波の音」オンリー。
このシンプルさ! …いわゆるひとつのパラダイスだ。

たまにはシンプルな世界に身を置くのもいい。


30年前のバリみたい。

広〜い野原でサッカーする子供達。
我々を見ると止まって手を振ってくれる。

ジャワ島には川が至る所に流れている。
豊かな自然の恵みがあるのだ。

川沿いのワルンでちょっとお茶。

緑濃い村。


学校帰りの子供達。

思わず原始の世界を想像しそうになる。


川沿いのガゼボで読書。

これ!懐かしくないですかぁ〜?


近所の悪ガキ達。自然が遊び場所。いいね♪

舟でクルーズ?
雨季で赤土が流れ出し、川は濁ってる。

『グリーンキャニオン』

10km先の町から来たアイドル歌手
による『歌謡ショー』。超ローカル!!

やがて男達は踊りだすのだった…。

1週間もいたら、大抵の住民の顔を覚えられそうなくらいの田舎だ。
そんな村なのに、レンタルボード屋やリペア屋もあるし、サーフショップも1軒ある。
サーフボードも買えるし田舎にしては結構な品揃えである。
それもそのはず、のちに海で出合ったオーストラリア人のおじいちゃんの店であった。
10年前から移住してここで暮らしているそうだ。

ド田舎のくせにサーフィン関連グッズが揃っているとおり、
ここを訪れる外国人はほぼサーファー。それ以外の用事で来る人は皆無だろう。

私達の滞在しているホテルは2年前にオープンしたばかり。
周りの景色からは少し浮いてるくらいスタイリッシュである。
というか、ここしか西洋風の建物がない!といったほうが正しい(笑)。
オーナーはやはりオーストラリアから移り住んだポール
ヌーサ出身だという彼曰く 「ここTee tree bayに似てるでしょ?」

確かに…!!
かって我々も行ったヌーサのナショナルパーク内にあるそのポイントと、
ホテル前のポイントは地形も波質もそっくりである!
しかもヌーサのそのポイントはエントリーまで結構歩く。

私はポールがこのポイントを発見した時の喜びが手にとる様に理解できた。
世界中パラダイスを求めて旅したポールが、インドネシアのジャワ島で、
地元の最高のポイントと同じような波を見つけた時の驚きは想像するに易しい。
しかもそれはオン・ザ・ビーチにあって、そしてそこには誰もいない…。
それは住みたくなるよなぁ〜。


レンタルボード&リペア屋。

綺麗な波。

ただし… 、 ホテルにしたらダメじゃん(笑)!
だってシーズンに向かってプロモーションするポールの成果か(?)
我々が滞在中にも、ホテルにはどんどん宿泊客が増えていった。
そしてその客は全員サーファー。
よって海は混雑する…。

笑ったのはホテルの従業員。掃除のスタッフからバーの店員から、
ここで働いている従業員はすべてサーファーなのであった!
ついでに近所のワルンのスタッフや近所に住む子供達も…。
しかもみんなメチャクチャ上手い!
まぁ、考えてみれば、こんなド田舎、他にやることもないけどね。
そんなこんなで住民で海は混雑する。

ビジネスと波乗り。
両立するのは難しい。この村の10年後はどうなることやら…。
今はやさしく波をゆずってくれるローカル達も、海が混雑するにつれ
徐々に厳しいことになっていくのだろう。今がギリギリなのかなぁ…。

地球上からパラダイスは確実に減っていく。
悲しいけれど事実である。
だからこそ「今」を楽しみたい。
この瞬間の「今」を…。

庭にある「水浴び場」。カワイイ♪
海から上がったらここで砂を洗い流す。

宿にはサーフラック設置も完備。

アキヤンの舎弟(?) アナコンダとドヨ。

オーナーのポール。


すっかり気が抜けた頃、日本に帰ることになる。
村から8時間かけて車でジャカルタまで移動する。
ジャングルのような緑の景色から、みるみる大都会に…。

空港でご飯食べてマッサージしてラウンジで時間を潰して、飛行機に乗った。
爆睡したかと思うと、起きたら成田に到着していた。
村を出発してちょうど24時間かかったことになる。

24時間…。丸1日である。

この時間を長いと感じるか短いと感じるかは個人差があるだろう。
でもパラダイスに1日で移動できるとしたら?

今の時代なら…、
きっと短いのだと思う。

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