PIGHOUSE FLICKS 世の中に映画館は数あれど、こんな映画館も珍しい。 「PIGHOUSE FLICKS」。 今月の上映一覧のチラシ。 街中のお店でも手に入る。 その名前にも片鱗がみられる様に、この場所は、昔、豚小屋＆屠殺場だったと言う。 バイロンベイに、世界中からヒッピーやアーティスト達が集まってきていた７０年代初頭、 いつからか、この建物に彼らが集うようになり、次第に活気づいていく。 その後、徐々に姿を変えつつ現在の形に変わっていったらしい。 現在、建物の左半分が映画館。右はカフェ＆レストランとなっている。 「Pighouse Flicks Cinema」 これが映画館。 オーストラリア、バイロンベイに１件しかない映画館。 話題の最新作が、“ちょいズレ”で上映されている。 映画館というより、映画小屋。 Gordon St. via Butler St , Byron Bay. (PH) 6685-5828 街中のカフェの角に、そのチラシはなにげなく重ねて置いてあった。 見てみると、映画館の上映スケジュールのチラシだ。 街中に程近い（車で３分程）所にある。 “バイロンベイに映画館…？” 当初ピンとこなかったが、いまとなっては、これぞバイロンベイにしか存在しえないものだと いうことがよくわかる。この映画館は最高だ！ 入り口。 ここでチケットを買って入る。 受付は、映画俳優ばりの伊達男。 踊り場のような階段を降りると、そこが受付＆入り口。 １日に２回〜４回、様々な映画が上映されている。１回A$13くらい。 大体いつも空いてるけれど、５０名くらいのキャパしかないので、話題作や 週末になると、上映前から人が並んでることもある。 左奥にはトイレがあり、ここもなかなか可愛い。 女子トイレの入り口はこんな！ こちらは男子トイレ。 トイレの中。 内装は真っ赤。 各トイレのドアには、それぞれ俳優の名前がほどこされており、 例えば、女子トイレには「マリリン・モンロー」とか「エリザベス・テーラー」、 男子トイレには「ラッセル・クロウ」といった具合だ。 それぞれトイレ内には、スピーカーがとりつけられており、 映画館への通路。 上映中にトイレに行きたくなっても大丈夫。 映画館への通路は、いきなりこれ！ 写真じゃわかりづらいけれど、ブラックライトの世界。 よ〜く見ると、床や壁に絵が書いてあるだけなんだけど、ほとんど、クラブのノリ。 映画館の中はどうなっているかというと…。 キャ〜 椅子が豹柄！ こんな状態で観れる！最高。 いきなり椅子が豹柄！ もう、めちゃくちゃ可愛い！ ここに行く時は前の列が絶対お勧め。なんたって、寝そべりながら映画が観れる！！ 足置きマットもあるし、“Ｂ・Ｙ・Ｏ（お酒持込可）” なので、 ワインでも飲んで、ゴロゴロしながら観ることも可能。 傍から見て、これ以上自堕落な格好はないっ！ って格好で観れる。 気持ちよすぎて、そのまま寝てしまうこともしばしば…。 リラックス…。 座って観たい人は、後ろの席へ。 ちゃんと普通の椅子もある。 でも、ここは、やはり前列で行きたいところだ。 音響は意外によく、一応サラウンド・システム。 まるで、大画面映画を、自宅で観ているような錯覚に陥る。ヒッピー文化の片鱗を十二分に残している空間。 今までに見たことないハッピーな映画館だ。 週末にはA$5で、オールナイトでいろんな映画が観れる、お得なシステムもある。 気持ち良すぎて、ついつい熟睡するので注意が必要だけど…。 映画館というのも、各国や街によって、随分違う。 日本のエアコンの効いた清潔な映画館や、 アメリカのポップコーンとコカコーラの匂いの充満した映画館もいい。 インドの信じられないぐらい込み合った扇風機がむなしく廻る映画館も、格闘技風で面白いし、 バリのちょっとすえた匂いのする映画館も楽しい。 でも、バイロンベイの、だらだら型映画館というのも、なかなかオツである。 こんな空間、日本にあったら最高だと思う。 「Pighouse Flicks」・・・・・ “世界で最もリラックスできる映画館” の１つである。