Vol.7 『マウイの謎』 (後編)
  2001年10月28日

(前回に引き続きマウイの謎)

その2) 「距離感がおかしい…。」

なにげない1日のスケジュール。
朝、隣町のカイロプラティックの先生の所に行く。(最近アキヤンが通いだした。
ジェリーロペスもみてたり、 スノーボードのバートンチームの顧問もしている
Dr.Gary Ryan。すごく有名な先生。ラッキー。)
もっとも近くのカフェご飯を食べて、
もっとも近くの海へ。
もっとも近所のフォトショップに寄ってフィルムを出して、
もっとも近所の友だちの家に遊びに行き、
もっとも近所のスーパーで買い物して帰る。
タバコを忘れたので近所で売ってるお店にもう一度買いに出て自宅に帰る。
さて、この1日の走行距離はどれくらいでしょう??

答えは ??km。 (ゴメン。単位がわかりません。) でも4時間は乗ってる。

最近やけにガソリンを入れてることが多いと思った。気づくと2日に1回はガソリンを入れている。

ワーゲン
昔パイヤにヒッピーが集まってきた頃持って
きたワーゲン。今も町をガンガン走ってる!

ここでは1年に一般人の平均的な車の走行距離は約3万キロほどらしい。 ほとんどの中古車は3年ほどで10万キロを越えているそうだ。
日本だったらとてもじゃないが値がつかないだろう。

マウイの車の運転スピードは結構早い。
実際のスピードは60kmぐらいでも、
信号もほとんどないし、景色もガリバーサイズなので、高速道路ぐらいの体感スピードだ。
ビュンビュン走ってる。運転マナーはすこぶるよく、人もやさしい。こんなんで大丈夫か?!っていうくらい古い車も平気で走ってる。 古いワーゲンも多い。しかも… みなビュンビュンだ。

ここは車がないとどこにも行けないし、車は必需品である。
車が無けりゃ死ねと言われてる様なものだ。
景色がだだっ広いので気にならないが、1日のうち、車に乗ってる時間かなり長い。
例えば、日本だと、海に行くのに2時間走るということはある。
でもここは日常生活をするのに4時間くらい走ってる。その分、海は近い。ホキーパまでは15分だ。

だけれど、ちょっと水買いに行くのに30分もかかるとしたら…? 大変である。
家を出るときに、ちょっとやそっとのことでは帰らないゾと気合が入る。
先日、自宅にあと少しでたどりつくという時、悲劇は起こった。

「あ〜っ!水買うの忘れたっ。」
「・・・・・・・・。」


車の中の空気が凍ったのは説明するまでもない。


その3) 「温度がおかしい…。」

キヘイからハイクに移って1週間あまりが経つ。1時間くらいしか
離れていないのに、かなり体感温度が違う。
キヘイは乾燥した海辺のリゾート。ハイクは熱帯雨林の山である。
まえは裸同然で寝れてたのに、ここでそれをやったら風邪ひくことは間違いない。
それくらい温度差がある。服装もキヘイはタンクトップ、ハイクは長袖のTシャツだ。
2日前の夜なんか雨が降っていて、気づいたら靴下に長袖長パンツで、とてもそれがハワイにいる格好とは思えない姿に成り果てていた。
同じ島の中に様々な温度差があるダイナミックな場所なのだ。

自然がスゴイのは置いといて、今回は「STAR MARKET」の話である。この店が全州にあるチェーン店なのかどうかは知らない。
これからの話は、アメリカのマウイ島のキヘイにある「STAR MARKET」という超ミニマムな話。
キヘイに住んでいた頃、コンドミニアムの裏で歩いていける場所に
その「STAR MARKET」はあった。
なんでも深夜の2:00までやっているという。
それは便利!ということで必然的によく通うことになるのだが…。

車で海に行った帰り、ちょっとスーパーに寄って水とか食料を買おうかなと思う。
しかし“スターマーケット”の場合はちょっと勝手が違う。
覚悟がいるのである。その辺の帰り際にはとても寄れない。
STAR MARKET
スターマーケット。
別名「フローズンマーケット」


「買い物行く?」
「えっ、ちょっと待って。今着替えるから…。」
「こんな格好でどうかな?」
「いいんじゃない。」

<ふーっと深呼吸>
「よし!行くかっ!」

ここは別名“フローズンマーケット”
(我々が勝手にそう呼んでるだけだが…)
とにかく、寒い!! 大体「safeway」や「Longs」等のその他のスーパーも、
エアコン効きすぎの感はするが、ここはどう考えても異常に寒い。

店に入る前にも、もう一度何を買うのかお互いに確認は欠かせない。

「私は水と野菜と調味料ね。」
「俺はワインとアイスクリーム買うワ。」
「ラジャー!」


何事か!と思う人もいるかもしれないが、笑い事ではない。
店の中に入るや否や、迅速な行動が要求される。
ものの5分も経つと寒さに震えてくる。10分もいたら全身鳥肌もんだ。
再三の心構えをしていたにもかかわらず、最後は必ず2人共ダッシュしている。
スーパー内をダッシュして買い物する客…。異様な光景である。

「アイスクリームコーナー」など、デスバレーに入って行くくらいの勇気がいる。
それとこれのどちらにしようか、などと迷うものなら命取りである。
すべて即決が要求される。優柔不断で困っている人はここで問題を考えるとよいだろう。
なんでもいいから思いついたものをとっととやろう、と改心するはずである。それくらい寒い!
個人的に「世界で一番寒いスーパーで賞」をあげたいくらいである。
過去生きてきた中で知りうる限り、最も寒いスーパーだ。

一体何を考えてるんだっ! ゆっくり物も見てられない。
ここで働く従業員の体は大丈夫なのか?!
そもそも冷房とはサービスでつけてるもんじゃないのか?!
買い物したいものがたくさんあるのに、客に買い物に行くこと自体を悩ませるとは何事か?!
だいたい売る気あるのか?! 是非オーナーに聞いてみたい!!

  ブゥォ〜、ゴォーッ…。きっと今夜もキヘイでは、巨大な冷房機の不気味な音が
鳴り響いているに違いない。 その後、カフルイでも「STAR MARKET」を見かけた。
当然ながら、二人共、入る勇気はなかった…。

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