Vol.9 『Trip To HANA(東マウイ一周記)』
  2001年11月3日

ハナ
ハナへの道。緑がいっぱい。
今度マウイに行く時はハナに行こう… と
以前から決めていた。
「天国のような町・Heavenly HANA」と称される
この町の噂はいろんな形で耳に入る。
ドライバー泣かせのハードな道だ、とか、ハナの町にある「Hotel HANA MAUI」の素晴らしさとか、花が咲き乱れる町並みだとか etc。

地図を見てみる。マウイはひょうたん型の島で、
それぞれ西マウイと東マウイと呼び分けられているが、
ハナは東マウイの右端に位置していた。地図上で見るとハナより先の道路は点々になっている。
なんでも車の保険が利かないらしい。一応道路はあるらしいが、かなり険しいイメージだ。
百聞は一見にしかず。ついに行ってみることにした。
そして、どうせだったら東マウイを一周しようではないか!

飲み物等を車に積み込んで、いざ出発!
カルフイからハナまではおよそ52マイル(約83km)。
2時間半〜3時間程のドライブだ。 道路は段々細くなり、車1台しか通れない道幅になってくる。
天候も途中雨が降り出したり止んだりで不安定だ。
以前ガイドブックで読んだ「・・・600箇所以上のカーブ、崩れかかった路肩、
ドライバー泣かせの道…」等のフレーズが頭をよぎる。
1人だったら不安になりそうな道だ。
でも、しばらく走るとそれが余計なことだということがわかってくる。
途中対向車がきてもちゃんと待っててくれるし、ゆったりとしたペースだ。
心配した600箇所以上のカーブも、日本の山道を運転したことのある人だったら大丈夫。
レインボーツリー
なんと七色の木。その名もレインボーツリー
なによりも、緑生い茂る熱帯雨林の道は、ことのほか美しい。最高だ。見たこともない木や花に目を奪われる。
アフリカンチューリップ
緑の世界に赤い挿し色。アフリカンチューリップ。

Honomau Bay
ジャングルの中のポイント、Honomau Bay。
ここにたどり着くサーファーは少ないであろう。
Keanae Peninsula
Keanae Peninsula

熱帯雨林独特のまったりした空気に魅入られ
ボーッと走り続けると、突然、山々の中に
ビーチ発見! ホノマヌビーチだ。
なんとサーフィンしてる。親子連れだ。
3人だけのプライベートポイント状態である。
うらやましい…。こんな景観の中、サーフィンできるなんて、日本では考えられない。

しかし、我らは旅の途中。後ろ髪を引かれながら、
ハナへのドライブ再開。先は長いぜ。

ケアナエ半島が左手に見えてくる。
不自然に海に突き出した半島には、渓流にそって水を張ったタロ芋畑が広がっている。
昔ながらのハワイアン集落の面影を残した場所だ。
しばし太古の世界にタイムスリップ。
ここまで来れば、ハナの町まであと半分くらい。
段々近づいてきた。
道すがら、車を止めて滝の写真をとる観光客ともよくすれ違う。 ハナへの道には、ハレアカラから流れる渓流による30以上もの短い滝が随所にあり、ドライブ中の車の中に涼しい音を響かせてくれている。

こじんまりとしたハナ空港をすぎると、そこがハナの町だ。
春には花が咲き乱れるというこの町は、「ホテルハナマウイ」を中心とした、
なんともこじんまりした平和な町だ。
目の前に見渡す限りの草原が広がり、丘の上に大きな十字架が見えてきたら、
その正面が「ホテルハナマウイ」。

Hotel Hanamui
Hotel Hanamaui

ハナマウイ中庭
静けさが心地よい

9万3000m2もの巨大な敷地に、たった93室のコテージが点在する高級ホテル。
入り口は質素。中に入ると、センスのよい家具が目に付く。ホテル内には
ショップや図書館などあり、いわゆるハイダウェイリゾートによくある造り。
ここ十年程、アマンリゾートを代表とする高級プライベートリゾートホテルが、
世界各地に出来つつあるが、一見するとさして違いが無いように思える。
ましてや、ホノルルからハナ空港に突然飛んできたら、尚更そう感じるだろう。

ここはこの道のりを通ってくるから良いのである。
パイヤ〜ハイクと通ってハナまでたどり着くと不思議なことに気がつく。風である。
それまでマウイ特有のビュービューと吹く風が、急にそよそよ… といった感じに変わるのだ。

ランチを取るためにレストランに入る。
これ以上ない平和な笑顔でスタッフが迎えてくれる。
緑に囲まれた景色の中での食事も勿論おいしい。BGMは鳥の声とかすかな波の音。
もうほんとにこれだけ。
ハイクも静かだと思っていたけれど、ここはもうひたすら静けさの質が違う。
ハセガワストア
歌にまでなってる「HASEGAWA GENERAL
STORE」。何でも売ってる雑貨屋さん。
そして、ハワイアンのウェイトレスが、
極上のやさしい笑顔でサービスしてくれる。
なんというか… もう… 大気がふわふわ
してきて最高にアロハな空間と化していくのだ。
この平和で静かなスペースが、
なんとも形容しがたい幸せな気分を
もたらしてくれる。
「ホテルハナマウイ」は大自然マウイの中にあるからこそ、天国のような時間の流れを放っていのだ。

幸せなランチの後、有名な「ハセガワ・ジェネラル・ストア」で飲み物を仕入れてドライブは続く。
普通、ハナコーストで最も美しいといわれる「ワイルア滝」や、“7つの聖なる池”として知られる
「オヘオ・プール」で泳ぎ、 リンドバーグの墓までたどり着いたら、一般観光客は
またUターンして帰るのが通常コース。
しかし、我々は東マウイ一周を企てているのでそのまま進んだ。

さて、地図にも道がなく、レンタカーの保険対象外という道はどんなところに続いているのか…?
道路は段々と悪路になっていく。山道から一転して荒涼とした風景が広がっていく。
先程のハナまでの道のりからは想像も出来ないシーンが目の前に…。
マナワイヌイ峡谷
マナワイヌイ峡谷。別名“リトルキャニオン”。
例によって全然リトルじゃないよ。


何万年も前から、気の遠くなる程の年月をかけてできた風と雨の芸術作品。
「マナワイヌイ渓谷」は、ここがどこだか一瞬忘れてしまいそうなくらいダイナミックな風景だ。
気分はほとんどアドベンチャーツアーへようこそ・・・といった感じ。
(以後、重たくなるので写真は省く。残念。)

やがて景色は緑広がる牧草地に変わる。海岸線にポツリと存在する「フイ・アロハチャーチ」。
ひなびた感じがいい味だしてる。 1925年にオープンした「カウポ・ストア」を過ぎて、
またまた広大なパノラミックヒルと呼ばれる「ワイユの丘」を越えていく。
ハレアカラ山の裾野を、どこまでもどこまでも道は続いていた。

非常に乾燥したエリアでサバンナ地帯の様な道もある。 思わず写真を撮りたくなるが、
景色がパノラマ過ぎてとても人間の視界に納まらない。 魚眼レンズが欲しくなるくらい空間が大きい。
キヘイの町が視界に入ってきた時は、ちょうど夕日タイムだった。
この小さな町がものすごい都会に見える。
さっきまでの大自然に圧倒されて感覚が完全に麻痺していた。

ひとつの島に様々なシーンがある。本当に面白い。
東マウイ一周の旅。それは、ものすごく巨大なテーマパークだった。

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