Vol.18 『Waikikiで暮らすということ』
  2001年12月25日

Waikiki
waikiki、ホノルル。

Waikiki
お馴染みワイキキビーチ。


“リゾートに住む”というのは、一体どういうものだろう?。

普通リゾートは過ごすものであって、暮らすところではないような気がする。
特にオアフ島の他の場所はともかく、ワイキキはリゾートを通り越して
“観光地”といった風情の場所なので、 落ちついて暮らしている人は少なく、
観光業にまつわる人々がとりあえず便利だから住んでる、というのが多いのではないだろうか?

ここワイキキは、いわずと知れた世界的に有名な観光地である。
ホテルも、「ハレクラニ」を筆頭に「ロイヤルハワイアン」「モアナ・サーフライダー」「シェラトン」
「ハイヤット」・・・・・なんでもござれ。 最近話題の「W」まである。コンドミニアムも数多いし、
探せば、民宿みたいなとこもワイキキから歩いていける場所にあるにはある。
さて、どこに住んだものか? 結構今回は悩んだ。

観光地に住んでいる人が世の中にどれくらいいるのか知らないが、例えば熱海に住んでる人が、
毎日ホテルで暮らしている訳もなく、きっとマンション買ったり、 家を借りたりしてるのだと思う。
なかには格安宿などを何日も泊まり歩いたりするツワモノもいるであろう。
だが、我々は中途半端な50日近くを過ごす予定なので、あんまりウロチョロしたくもない。
しかも、場所はワイキキである。果たして我々の望む快適ゾーンを発見できるのか…?!
ワイキキの旅は家探しから始まった。

当初、コンドミニアムを何件か探してみた。
場所柄か、結構値段も高く、それでいて狭い。
それでもようやくホテル並のりっぱなコンドミニアムが見つかって10日程滞在した。
部屋は新しく抜群にきれい。 だが・・・・日当たりが悪く、運悪く改装工事の真っ最中で
一日中うるさい。 駐車場も遠いし、微妙に車じゃないと動けないのでワイキキに住むには
中途半端だ。あと、部屋の波長というのは割と大事だと思うけれど、
なんとなく我々には合わない。 短い期間とはいえ、住む場所の空気は大事。
しかたなく、家探しは振り出しにもどる。

KAI ALOHA
「KAI ALOHA HOTEL」

今度は“ワイキキビーチまで歩いて行ける場所”でホテル・コンド等をあたった。 高級ホテルに1ヶ月というのもピンと来ないし、かといって格安ホテルはビジネスホテル風でちと悲しい。
ほどよくボロくて、気兼ねのいらない、清潔で、
リラックスして暮らせる場所はないものか…??
ワイキキには不動産屋といったものはなく、
新聞や人づてで探すのがほとんどだ。
だがそれを待つほど時間もないので、歩いて自分たちの足で気に入った所を探そう!
ということになった。

そしてついに発見!! その名も「KAI ALOHA HOTEL」。ワイキキのサーフポイント、
“ポップス”まで徒歩5分足らず。駐車場も目の前。
以前からなんとなく気になっていたホテルだった。
早速、オーナーのおばあさんに直接交渉をしにいく。 すんなり意気投合。
あれよあれよという間にマンスリーレートで即交渉成立となった。

なんともレトロでボロいけど、部屋は清潔で毎日ベッドメイクも掃除もしてくれる。
シャワーもトイレも、部屋に備え付けの家具も全部古いけどカワイイ。
TVもラジオも電話も、渋谷あたりのアンティークショップで売られてるぐらいのレトロさだ。
おまけみたいについてるバルコニーのドアなんか引き戸だし、開けっ放しで寝ても平気。
おそらく、ワイキキ開発当初からあるんではなかろうか?どうみても民宿並だが、
一応ホテルという名前がついている。

部屋
部屋の中。全部がかなりレトロ。
キッチンのポットなんかかなりキテる!


ボード
サーフボード置き場と化したバルコニー?

ベッドは狭いシングルベッドが2つ。1つのベッドは足が終わりつつあるらしく、寝るとマットが
微妙に落ち込み寝ずらい。 現在、毎晩、じゃんけんでどちらに寝るか、くだらなくも
熾烈な戦いが繰り広げられている。 絨毯なんか、少々飲み物をこぼしても平気なくらいの
気軽なボロさ加減。だけど、妙に落ちつく空間なのですよ。ここは。
ということで、常宿に決定!!

ツリー
街のいたるところにX’masツリーが飾られている。

ようやく住むところも落ち着き、街をぶらつくと、
景色はすっかりX’マスになっていた。
ショップはX’マスセールの真っ最中。
プレゼントを買う人でごったがえしてる。
12月に入ってから、スーパーなどで、やたら
X’マスグッズが目に入るようにはなっていたけれど、
気がつくとホテルやショップは勿論のこと、
一般の民家からマンションまで、電飾に彩られて
すごく綺麗だ。 遅ればせながら、我々も電飾を
買いにスーパー等にいったのだが、以前は
テンコ盛りにあったX’マスグッズもなんとすべて
ソールドアウト! 2,3日前まではまだたくさんあったのに…。昨日、今日で人が殺到したのであろう。
何軒かまわって、ようやく最後の1箱を手に入れ飾りつけを済ませた。

普通の民家も様々な飾りつけがされていて、いやがおうにもX’マス気分を盛り上げている。
最初はたぶん軽い気持ちで始めたんだろうけど、どこからか歯止めがきかなくなって
大変なことになってきた家だとか、 うちの住民は総出でやる気出してますっ!みたいな
高層マンションとか、街全体が華やいでて、こういう時期、都会っていいなと思う。
ラジオから流れる曲は勿論X’マスソング。TVはサンタクロースもの。 ここ数日、レストランや
店を出る時も、皆「 Have a Merry X'mas ! 」と挨拶が交わされる。いい感じだ。

クリスマス
店じゃないよ。普通の民家です。

窓
街中のマンションの窓に飾り付けが…。


今朝、たまたま空港近くに送られてきた荷物を取りに行った。
テロの関係か?空港近くには軍隊の人々とポリスの取り締まりが厳しいのだが、
どうやら検問をやっているらしい。 我々の車も止められ、チェックされる。
「免許証は?」と尋ねられ、あせって探すのだが見つからない。
急いで出てきたので忘れて来てしまったのだ!(免許証不携帯は罰金!)

「ごめんなさい。忘れて来てしまったみたいです。」そう答えると、厳しい顔した警察官は、
「免許証は常に携帯してないと高い罰金をとられる事を知ってるね?」と尋ねる。
「Yes . 」と我々。(シュン…。)
するとその警察官は、
「しょうがない。今日のところは見逃してあげるよ。次から気をつけるんだよ。」
と言って、 ニッコリと笑うと一言。「 Have a Merry X'mas ! 」

いいね〜アメリカは!日本ならこういう事はあんまりないように思う。
師走で忙しい時、取締りやってて見逃してくれるなんて…。
しかも別れぎわに「よいお年を!」な〜んて言う警察官を私は見たことがない。
日本の警察官にも、こういう心のゆとりが欲しいものだ。

X’マスは人をやさしい気分にする。誰かにやさしくされると、自分もまた誰かに
やさしくしようと思う。想いは伝染するものだ。 出来ればそれが、友人や恋人同士や
家族の関係だけではなくて、国境や人種や宗教の垣根も越えて、 大いなる自然や
動物や物にも伝わって、この地球という美しい星に共存しているすべてのものに伝われば最高だ。
人間は俯瞰して見ることが苦手で、つい自分のことだけ考えがちだけど、
少なくともX’マスくらいそう考えたいね。

X’マスは“人間は本来やさしい生き物だ”と思い出させる日なのかもしれない。

I wish you'll have A Merry X'mas ! !

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