Vol.24 『HIPPIE PARADISE』 2002年2月12日 世界中で“ヒッピー”と呼ばれる人種は、一体全体どれぐらい存在しているのだろう? 20年程前インドを旅した時、確かゴアのアンジュナビーチの近くにヒッピーの村が存在していた。 村というよりコミューンに近いものだったかもしれない。(昔の事なので記憶が定かではない) ネパールやタイにも多かったように思うし、バリのウブドゥにもいた。 10年前のイビザでも、多少は見かけたような記憶がある。 昔から、南の島で気持ちの良い場所を見つけるのがウマイのは、サーファーとヒッピーだった。 サーファーは波を求めて。ヒッピーは自然と共存できる場所を求めて。 それぞれ目的は違っても、未開の地を求めて旅する点では両者は共通していた。 人が集まるようになると、ローカルピープルに影響を与えるのは当然の成り行きである。 そんなに人が来るなら、いっちょ宿でも提供するかといった感じで、民家の空き部屋を貸し始め、 そのうちそれが安宿に変わり、観光客相手の茶屋がレストランへと変わっていく。 物売りも登場してくるし、人も活気づいてくる。 そして、いわゆるひとつの“楽園”を形成していくのだが…。 情報はアッという間に世界中を駆け巡り、お金持ち(アングロサクソン系が早い!)が入ってきて、リゾート開発なんていうものを始めたらもうおしまい。 “楽園”はリゾート開発という名のもとに、“お金”という近代宗教(?)に次第に侵され、美しい自然とローカルピープルのピュアなハートは破壊されていく…というのはよくある話。 あの頃存在していた“ヒッピー”は、今どうしてるんだろう? 都会で生活していた頃、ふとした拍子に想いをめぐらせたりしていた。 そしてここに来て、ものすごく久しぶりに“ヒッピー”を見かけている。 「町の人口におけるヒッピー率」というものがあるとしたら、バイロンベイはかなり高い。 その近郊の街に行くほど増えていき、「Nimbin」という街まで行くと、ほぼ9割が“ヒッピー”となる。 ここまで行くと“ヒッピーの街”といってもよいだろう。 オーストラリアという“孤島の大陸”だからこそか・・・・? シドニーやメルボルンといった都会とは違って、この辺りはまだまだオールドエコノミー。 圧倒的な大自然は手付かずのままだ。 だからこそ、70年代の空気をいまだ持ち続けてこれたのかもしれない。
隣町の「Bangalow」で、フリーマーケットがあると聞いて行ってみる。 この辺りでは珍しいものではない。 各町ごとに、毎月第1日曜日とか第2日曜日とかにやってる。 ちなみにバンガローは毎月第3日曜日がフリーマーケットの日。 少ないけどお洒落な雑貨やアートの店もある小さな町だ。
午前中にもかかわらず、大勢の人で賑わっている。 野菜・果物・花屋・服屋・ジュエリー屋…etc、自前のアートを売ってる店から、屋台まで。 思っていたよりも大規模なフリーマーケットだ。出展している店の数も結構多くてビックリ。
そして、ここにも大勢いるんだなぁ…“ヒッピー”が。 ヒッピー風ファッションに身を固めた人から、どう見ても本気の人まで、もう、いるいる! 彼らが何を生業として生きているのか定かではないが、服やクラフト製品、ジュエリーなどを売っているところをみると、昔も今もあまり変わっていないのかもしれない。 友達が店出してるんで遊びに来てる…といった感じでヒッピー大集合である。 写真を撮るのがはばかれるくらいの数だった。
“ヒッピー・サーファー”が多いのもこの辺ならでは。 ビーチ近くでよくギター持って歌ってたりする。 近くには、どう考えてもそこで生活しているに違いないボロボロの車があったりして・・・。 これ、バイロンベイ付近のごく日常的な風景。まぁ、暖かいから、そういう生活も全然アリでしょう。 ([注]一応指定されてない場所で車で寝ることは違法。おまわりさんに見つかると罰金。 でも、こんだけまわりに自然が多ければねぇ…体力に自信があれば、どこにでも寝れるよ) 世界中の“ヒッピー”が、現在、どこに生息しているかわからないけれど、 ここが彼らにとって、「パラダイス」の1つであるのは間違いない。 |