Vol.32 『Blues&Roots Festival』
  2002年4月9日

3月は南へ北へとよく移動した。
ほとんど毎日、違う場所で目をさましていたように思う。
キャラバンパークやモーテルにもよく泊まったし、気温の差も肌で感じた日々だった。

ポスター
Bluesフェスティバルのポスター。

久しぶりにバイロンベイに戻ってきたら、季節はすっかり初秋の気配。 あんなに猛威をふるっていた蚊(こちらの蚊はもの凄くすばやくて元気)も、勢力がおとろえたかのようだし、トンボもよく飛んでいる。

それでも、イースター&スクールホリデーで街は混雑していた。
いつもは人通りの少ない家の近くの道路は大渋滞。ホテルも満室。何事かと思っていたら、「Blues&Roots Festival」が開催されていた。

4日間に渡って行われたこのフェスティバルは、なんでも、南半球最大のブルースフェスティバルらしく、有名なミュージシャンも多数参加している。
会場近くには、テントを張って待機している人々でいっぱいだ。
家から歩いて行ける場所だったので、1日券(A$85)を買って遊びに行ってみた。
会場
会場の風景。
お店
怪しいハーブ屋。派手!!

だだっ広い敷地には、巨大なテントの仮設会場が4つ。
バーコーナーから、あらゆる食べ物の店が、フリーマーケットのように出店していた。
参加している人も、見るからにブルースフリーク(?)といった人や、毎年参加しているらしい椅子持参の用意周到組、 たまたまお祭り気分で参加した我々のような者まで様々。
日曜日ということもあってか、家族連れも多い。

それぞれ4つの会場では、スケジュールに沿って、同時進行で演奏が始まっていく。
各自、好きなミュージシャンを追って、会場を移動していく形式だ。
同じ時間に、観たいミュージシャンが重なってたりすると大変。
どのテントに行くか、目移りして結構忙しい。
KEB MO
KEB 'MO'
会場
会場内は、人・人・人!

我々のお目当ては、KEB 'MO'。
1時間前程から、会場内で場所取りしたおかげで、最高の場所で聴けた。
“世界で最もハッピーなブルースマン”と言われているKEB 'MO'は、
甘い声と、ブルースにしてはポジティブメッセージを歌う人。
さすがに彼は人気だったらしく、あっという間に、会場は足の踏み場もないくらいの人で
埋め尽くされていく。

午後晴れてさわやかだった天気は、次第に雨交じりになり、夜には土砂降りに変わった。
それでも、参加者はまったく動じない。聞くところによると、ブルースフェスティバルは、
毎年、雨と相場が決まっているらしい。そうと知っていたら、雨装備をしてくるんだった…。
雨と泥で、ドロドロになりながらも、人々の興奮はさめやらない。


Buddy Guy

Buddy Guy.

この日のフィナーレを飾ったのは、Buddy Guy。
かのジミー・ヘンドリックスやエリック・クラプトンが師匠と仰ぐ、ブルース界のレジェンドだ。
シカゴを基盤に活動する彼の曲は、“こてこて”のブルース!
曲が「Sweet Home Chicago」になると、会場中で大合唱が始まった。
テントの外は、バケツをひっくり返したような雨。
ライブは深夜まで続いた。

雨とブルースはよく似合う。
それは、どこか、“夏の終わり”を感じさせる。


4月1日で、サマータイムも終わった。
日中はまだしも、朝晩は、めっきり肌寒くなっている。
街を上半身裸で歩く人も見なくなったし、人々の服装も変わってきた。
海も冷たくなってきたし、急遽、スプリングを購入する始末。
いまさらながら気づいたけれど、ここは常夏ではなかったのだ。

こちらの住民曰く、「これからが、バイロンベイは最高さ。」という言葉を胸に、
初秋のバイロンベイを楽しんでみようと思う。

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