Vol.33 『アキヤン41歳になる!』 2002年4月19日 人間は、野放しになると、どんどん自分が見えなくなっていくことがある。 自分の事を「普通」だと思っていたとしても、その「普通」が何を基準に「普通」というかは、 その人が日頃目にしているものや環境によって違う。 しばらくオーストラリアにいると、裸足で歩いている人が多いのに気づく。 それだけ道路に危ないものが落ちていないのか、それとも、オージーの足の裏が 人一倍鈍感なのかは、よくわからない。 特にバイロンベイは、裸足で歩いている奴が圧倒的に多い。 足の裏は、当然汚い。 まぁ、それだけ格好に気を使わなくてもよい場所とも言えるだろう。 アキヤンが、パンツ(下着)をはかなくなったのはいつからだろうか…? 特に、オーストラリアに来てからは、皆無だと思う。 最近朝晩冷え込んできた為、奴が「寒いからパンツでもはくか…。」とのたまった時、 「パンツは寒いから穿くもんじゃないよっ。」と思わず言ってしまったのもしょうがない。 そんな環境の中、事件は起こるべくして起こった! 先日、サーファーズパラダイスに遊びに行った時の事。 ここにヴェルサーチが生前、約140億円を投じて造り上げた宮殿風ホテル、 「Palazzo Versace Gold Coast」がある。 ホテルの前を通りがかったので、お茶でも飲もうと盛り上がった。
ホテルのドアマンは、まさしくヴェルサーチ好みのハンサムなイタリア人。 私より一足早く、意気揚揚とホテルの玄関に向かうアキヤン。 まさに、ホテルのドアに近づいたその瞬間。 「すいません。」とドアマンに呼び止められる。
しょうがないから、一人で入って探索して来たけれど、 その時にアキヤンの格好はこんなの。 Tシャツに、パンツ兼用の切りっ放しの色あせたジーンズと、ボロボロのゴム草履。 冷静になって見てみると、これじゃぁしょうがない…。 それでも、自分では、きちんとしていたと思っていたのが笑える。 「くそぉ〜ヴェルサーチが生きてたらいいつけてやる!」という捨てゼリフも、負け犬の遠吠えにしか聞こえなかったのであった。 この事件以来、奴のあだ名は“ヴェルサーチに断られた男”となっている。 久しぶりにキチンとした世界を垣間見て、随分遠いとこまで来たなぁと感じた次第。 まっこと、環境とは恐ろしい。
そんな奴も、4月8日で誕生日を迎え、41歳になった。 41歳と言えば、りっぱな“小中年”である。 こんなことでよいのだろうか?? そんなこんなで、こんなことではいけない! たまにはちゃんとしたホテルに泊まってみようと、 誕生日のお祝いにかこつけて、「Garden Buress」に泊まった。 前から気になっていたバリ風のブレ(コテージ)だ。 玄関を入って、石畳をしばらくあるくと、そこにはプライベートコテージが数棟並んでいた。
各コテージは、2階建てで、プライベート重視で造られている。 中にはキッチンも付いてるし、1階リビングの半分は、バスルームになっているのが良い。 オーナーが世界中を旅した中で、特に気に入ったバリの世界を再現しているそうだ。 外には、こじんまりとした庭も付いているし、そこには人工的に川が造られていて、 ちょっとした、“川のせせらぎ” 風の音として耳に響く。 夕方、庭に遊びに来る鳥の声も心地よい。 ジャグジー付きのバスタブから、外の庭が眺められるようになっていて快適。 2人共、久しぶりのホテルライフを満喫した1日だった。
最後にアキヤンからのメッセージ。 「初めて海外旅行に出たのが21歳の時。場所はオアフ島。その前にパンツ穿こうね。大人なんだから…。(Yume) |