Vol.36 『Memories』 2002年5月10日 さて、そろそろオーストラリアともしばしお別れだ。 あまりの居心地のよさに、すっかり長居してしまった。 気がつくと、約4ヶ月もいたことになる。 ひとつの場所に長くいればいるほど、人とも出会うし、 その土地の魅力に気がつくことが多くなる。特に広大な土地を持つオーストラリアなんぞ、 いくら時間があってもまわりつくせないだろう。 実際メールに書ききれない程、日々の出来事が多かった。
4WDで100km以上の海岸線を爆走した「75マイル・ビーチ」も、 世界最大の砂の島「フレイザー島」に行ったことも、「ヌーサ」の快適な生活も、 「カランビン・アレイ」でオーストラリア滞在中に最高の波に当たったことも、 6時間かけて登った「Mt.ウォーニング」の話も、その他もろもろ、 もう全然書けないままに終わってしまった。 中でも、多くの時間を過ごした「バイロンベイ」には思い入れがある。 これだけいると知り合いも増えるし、今では、街や海で出会う人が、 どこで働いている人かも分かる程だ。まだまだ田舎なのである。
それでも、この地に古くから住んでいる人達に言わせれば、当たり前だが、 かなり変化しているそうだ。どうやら15年程前は、本当の意味でパラダイスだったらしい。 人と自然のバランスが取れていて、“記号”が少ない世界。 日本人もほとんどいなく、サーファーとヒッピーしか住んでいなかった時代だ。 その時期のバイロンベイを見たかったとつくづく思う。 今では、人や車の数も増え、街は快適さをギリギリ越えてきた世界に突入している。 最近日本人の数も増えてきた。昨日など、海に入ると10人くらい日本人だったりした。 特にワーキング・ホリデーの名目で、ただ1年間遊びに来てる若者が急増しているらしい。 我々が出会ったのは、皆明るくいい子だった。 しかし、残念ながら、挨拶も出来ない、会話も聞いても意味不明、 英語もろくにしゃべれない日本人同士でたむろしてる若者も大勢見かけたのも事実。 まぁ、日本でブラブラしてるよりましかもしれないけれどなぁ…。 数が少なければよいのだけれど、あるキャパを越えるとイメージは悪くなる。 何事もバランスだ。 バリ島のクタになる日も近いかも…? と一抹の不安が残る。 しかも、バリ島よりもビザの関係上、長居が出来るから尚更たちが悪い。 今後、ワーキングホリデーが2年に延期されるとの噂が…。 オーストラリア政府の懐はビザ代でうるおうかもしれないが、自然と一緒で、 “パラダイス”は気を使わないと無くなってしまう時代だ。 ワーホリの諸君! 頑張ってカッコイイ日本人の姿を見せておくれ!! 切に願う。
旅をしていると、至る所でそのセリフを聞く。 確かにそうなんだろう。でも、きっと10年後に同じ地に辿り着いても、 やはり同じセリフを聞くに違いない。 ジェフ・マッコイはこう言ってくれた。 「今 世界は、もの凄いスピードで変化している。それも、過去10年かかったものが、 次は5年、そして1年と加速して変化していく。バイロンベイもしかり。 だからこそ、今君たちが世界を旅して廻ってることは凄く良い事だと思う。 とどのつまり、人間は “今日という日を最高の日” にしていくしかないのさ。」 本当にそうだと思う。 “人+自然+記号”のバランスを越えたかに見えるバイロンベイ。 それでも、この地を今の時代に触れられた事に感謝したい。 また、帰ってくるよ。 「See you later ! 」 |