Vol.55 『Adios! CABO』
  2002年9月20日

「ここじゃぁ、何やるにも1回じゃすまないから…。」
そう言ったのは、ダイブショップ「Deep Blue」ユウコちゃんだった。

CABOに来て2ヶ月余り。最近になって、ようやくその言葉が身にしみる。
そう、確かにここはなにかと時間がかかる。
到着以来、水が止まったり、停電したり、洗面所が水漏れしたりと、なにかとトラブルは絶えないが、
ここに来て、今度はエレベーターの故障である!

コンドミニアムのフロントに、「いつ直るのか?」と尋ねると、「10分後には大丈夫!」と、
日本でもあり得ないような事を平気で言う。
当然10分後どころか、何時間経っても直る気配はない。
しびれをきらして尋ねると、「今日中には直る」という。 毎日そんな会話を続けながら、
むなしく1週間が過ぎていった。(…こういう事にも段々慣れてきたなぁ。)

我々の部屋は4階なので、結構キツイ。
8”0のサーフボードは、ぎりぎりエレベーターに乗る大きさなので、4階でも不自由は
感じていなかったのだが、エレベーターが故障してからというもの、
狭い階段をボードを持って昇り降りしている。
外に出るたびに階段なので、まったくもって不便だ。

とうとう耐えかねて、「いつ直るかわからないなら、部屋を1階に変えろ!」と苦情を言ったら、
ようやく今日直った。 一体どういう構造になっているのかよくわからないが、
確かに、一度で用件が済むことは極めて少ない。

日本からDHLで送ってもらった荷物も、相当時間がかかった挙句、なんやかやと難癖をつけられ、
中に入れてもらってた日本食やビタミン剤など、途中の税関で止められ、結局日本に送り返す
ことになったりして…。いちいちイライラしてたらやってられない。
最近はなにかあっても、「メキシコだからねぇ。」の一言で終わらすようになった。

そんな大雑把な時間の流れにもようやく慣れてきたと思ったら、もう旅立ちだ。
早いっ。 早すぎる! ボーッとしてたら時間がワープしてしまった。
ここらでCABOの「お気に入り」を紹介しておこ〜っと。

まずは食事について。
今回はほとんど自炊だった為、レストランについてはあまり語れない。
それでも現地で外食した範囲で言うと、それなりにおいしく食べれるものはあっても、
飛びぬけてウマイ!というものもなかった。(現地日本人の人々に尋ねても、答えは同様だった)
メキシコ内部に動けば事情も違うと思われる。

そんな中で、やはりおいしいのはチップスタコス
店によって微妙に味が違うのも面白い。「ROSSY」のタコスなんて、東京にあっても繁盛しそうだ。
あと意外にイケるのがホットドッグ屋
そこらじゅうでよく見かけるが、トマトやたまねぎのみじん切りをそえてくれて、トッピングも充実。
なんだかメキシコでは、地元民がいつも普通に食べてるようなものが安くておいしい気がする。
タコス
「ROSSY」

メキシコと言えばタコス。
街中至るところにタコス屋はあれど、
サン・ホセ・デル・カボにある「ROSSY」は
常に客足が絶えない人気店。
気がつくと通ってた。
ホットドッグ屋
「ホットドッグ屋」

街角や、通り沿いに出る屋台。
想像していたのより意外と清潔で、
しかもおいしい!ハンバーガーもイケる。
モスバーガーの起源はここか(?)と
思ってしまうほどテイストは似てる。

それから、旅に出てからよく食べるようになったこれっ!
マンゴ
「マンゴ」

今がシーズン。
とにかく安い、デカイ、ウマイ!と
三拍子そろった優秀な果物。
果肉も種も大きく、食べ応えがある。
この皿全部で1個分。

日本では高級な顔をしているマンゴも、
ここではキロ単位で買うくらい安い。
大きさも立派なものだ。
水っぽさのない濃厚な味で絶品!

CABOは砂漠なので、どこか
よその土地から持ち込んでいるのだろう。
この際そんなことはどうでもよい。
とにかくウマイのである。

『夏』の国にばっかり行ってるせいか、
気づいたら常にマンゴが家にある
生活になっている。
別にそれ以外のフルーツも食べているのだが、
今までどの国でも“マンゴチェック”だけは怠らなかったのだ。
CABOに来てからというもの、完璧にハマッて「1日1個常食、これ常識!」みたいになっている。
自分の過去を振り返ってみても、今が人生で最もマンゴを食べている時期といっても過言ではない。
今の我々の体の1部は、確実にマンゴで出来ている!?

ほとんどの時間を海の傍で過ごしていたので、街に出たのはごくわずか。
Deep Blue
「Deep Blue Diving Club」

Plaza las Glorias Local A-17
(Tel&Fax) 143-7668
(URL) www.cabodeepblue.com
インストラクターのユウコちゃんや、
日本人より日本語のうまいオスカルが
いるので言葉の問題はまったくない。
それも用事がある時のみという生活だった。
そんな短い間でもいろんな人との出会いがあった。
この最後のメールも例のごとく、和さん
所から送ってるし、本当に感謝です。

CABOに到着した翌日、右も左もさっぱり
わからぬ我々に、なにかと親切にしてくれたのは
「Deep Blue」のインストラクターでもある
ユウコちゃん
スコーンと抜けるように明るい、バイタリティに
溢れる1児の母。なにかとお世話になりました。

アキヤンより日本語のうまいオスカル
奥さんのサチコちゃん共々、これからも
仲良く頑張ってね。

その「Deep Blue」のすぐ隣には「JTB」がある。
ここにはなんと、日本の本とTV番組等のビデオがいっぱいあるのだ!
チーコさんTAKUさんが働いているので、訪ねると貸してくれるよ。
ある日隣人からビデオデッキを借りた我々は、以来、たびたび本&ビデオを借りに寄ることに…。
ビデオ

JTBで借りたビデオテープ。
ちよこ
チーコさん。

初対面でいきなり、「HP観ましたよ〜」と
言われてビックリ。おかげでいろいろ説明する
手間がはぶけて便利。CABO在住5年。JTB勤務。

久しぶりのTVの世界は面白かったけれど、部屋から出れなくなってまいった(笑)。
日本でもあまりTVを観ていなかったので、余計新鮮だったのかもしれない。
ビデオデッキの調子が悪く、たまに白黒になるのも渋かった。
初めて観た「ビューティフル・ライフ」も白黒で、一気に全話を見届け号泣したりして…。
つくづくTV番組やドラマはまとめてみるものだと痛感した。
日本に帰っても、これからは是非そうしようと思う。

旅をしていて、新しい人と出会うのは楽しい。
昨日まで赤の他人だった人と、『今』という瞬間でアクセスできると、
仲良くなるにつれ、その人の過去と未来ともアクセスできるようになる。それは素敵なことだ。

一瞬の出会いで心通じる人もいれば、何度会っても名前も憶えられない人もいる。
会った回数も大事だが、互いに過ごした時間の“濃度”みたいなものはもっと大事だ。
アクセスの強度は、“濃度”に比例するのかもしれない。

きよみ
きよみ。

南米方面を1年かけて旅行中。
CABOでは日本語を教えてる。
レストラン「和」で初めて会った時、
「一緒にブラジル行きません?」と
いきなり誘った面白い奴。
スペイン語が出来ない我々を
いろいろ助けてくれてありがとさん。
アンヘル
Angel。

エンジェルと書いてアンヘルと
発音する。「Las Olas」勤務。
愛想もいいが調子もいい。
トラブルが起きるたび、それにかこつけ
しょっちゅう部屋に遊びにきてた。
明るく元気な働き者。


じいさん

Las Olasのじいさん。

アキヤンお気に入りの渋いじいさん。
毎日汗だくになりながら芝刈りしてた。
木陰で昼寝している姿も絵になってたと
感じていたのは奴だけだろう。
憧れていたらしい…。
女の子
お菓子売りの女の子。

毎日ビーチでお菓子を売っている。
学校はたぶん行ってないのだろう。
くったくない笑顔で、いつも
スペイン語でしゃべりかけてくる。
今の日本じゃ、こんな子供はもう見ない。
明るくそのまま生きて欲しい。

出会いは「動く」ことから広がる。
この時期、この場所に動いたからこそ、出会えた人がたくさんいる。
すべては動いたことから始まったのだ。
CABOに動いてたくさんの人と出会えたことに感謝。(写真撮れた人しか紹介出来なくて残念!)

みんなと会えてよかった。 Muchas gracias ! ありがとう。
Hasta la vista ! !


次は大都市 メキシコシティに動きます。

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