Vol.61 『Green Season』
  2002年10月24日

コスタリカの気候は5〜11月の雨季と12〜4月の乾季に分かれている。
国の両岸には太平洋とカリブ海があり、中央には火山や盆地があったりして
地形が変化に富んでいるため、地域によっては降雨量にかなり差があるらしい。

一般には、乾季の方がハイ・シーズンにあたり観光には適しているとのこと。
今の落ち着いた町の雰囲気からは想像がつかないが、実際タマリンドも12月に入ると、
一気に人が増え、町も海も混雑するという。

コスタリカでは雨季は“Green Season”と呼ばれている。
物は言い様である。確かに雨季のシーズンは辺り一面が緑に溢れていて美しい。
雑草
道路沿いの雑草でも綺麗。
これは緑好きの私にとってうれしいことだ。

ハイ・シーズンである乾季と比べて、
ロー・シーズンである雨季のGreen Seasonは、
ホテル代やツアー料金の割引の特典もあり、
なにかと安上がりではある。

そしてなによりも、Green Seasonの方が
“波” が良いという情報が、今回コスタリカ
行く決め手となったのだ。

・・・・・が、しかし・・・・、タマリンドに来て以来、まだ良い波に当たっていない。
乾季には真っ青らしい海の色も、連日の雨で濁り気味。
毎朝波チェックに行くも、膝腰サイズしかないし、しかも混んでいる!
町に人が少ないくせに海には人が多い不思議な所。
観光客はエコ関係者の他はすべてサーファーだし、外国から移り住んでローカルとなった
サーファーも含めて、サーファーの絶対数が多いのかもしれない。

Tシャツ
Tシャツのプリント。
おまけにこちらに来てわかったことだが、タマリンドでは
“ロー・タイドはサーフィン出来ない”のだ!!

ただでさえ波が無いのに、ロー・タイドになると
岩がむき出しになり、海の水も思いっきり
引くのでサーフィンには適さない。
ちなみに、町では 「Tamarindo Hightide」
とプリントされたTシャツが真面目に
売られているくらいである。

それでは地元のサーファーはどうしているのか…?
それは… 動くのである。あっちにこっちに。
馬
未だに地元民の足として
活躍している“馬”。
道路状況を考えるとこれが正解か?
バイク
バイクで移動するサーファー達。

タマリンドの北にはPlaya Grande(グランデ・ビーチ)があり、気合を入れれば
ビーチ沿いに歩いて行ける(30分くらい)が、気合のない我々はいつも車で移動している。
一度内陸に入って動くしかないので車でも徒歩と変わらないくらいの時間がかかるけど、
いつもタマリンドよりサイズがあり、よく通っている。

すぐ南には、ボトムが溶岩で出来ているPlaya Langosta(ランゴスタ・ビーチ)があるが、
我々はまだ入ったことはない。

せっかくタイドを合わせて波乗りに出かけようとしても、いきなり雨が降り出したりして
調子は狂いっぱなし。このままだと、せっかくメキシコで掴みかけた何かを、
コスタリカの雨と共に水に流しそうな不安に陥る。
いっそのこと他の場所に移動しようと思うのだが、どこに動くにしても今の時期、
雨とそれに伴う悪路問題で、どうにもこうにも自由が利かない。

より南にはPlaya Avellanes(アヴェヤネス・ビーチ)Playa Negra(ネグラ・ビーチ)がある。
アヴェヤネスはややメローな波で、ネグラは掘れたショート・ボード向きの波。
アヴェヤネス
Avellanes。
ネグラ
Negra。

この2つのポイントに行くには4駆の車が絶対必要だ。道は極めて悪い。
2、3日雨が降らなければ、パリダカのような悪路でも移動は出来るが、
一雨降ると、川が氾濫して移動は難しくなる。

現在10月で雨季真っ只中。雨が続けて降ると、ただでさえ悪路なのにつけ、
至る所に空いている穴ぼこに水が溜まりまくり4駆の車でも大変だ。
そこまでして、ポイントに辿り着くのに、すでに結構人が入ってたりすると、ちょっと
グッタリする。この辺りの波を当てたければ、目の前の宿に泊まるしかないだろう。

道
いくつもの川を渡る。
道
直せよ〜道!

今ひとつ自由に身動きがとれないまま時は流れているが、幸か不幸か
ゆったりとしたコスタリカのリズムは体に染みてきている。

実際、ここに来て以来、雨にも様々な種類があることに気づいた。
シズシズと霧雨の様に降る雨もあれば、ダダ降りの雨もある。
一日中降る続けることは稀で、大抵午後から降り出すことが多い。
タマリンドは比較的降雨量が少ない方だと聞いていたが、なんのその、
やはり降るときは降る!それもかなり激しく!

どんな感じかというと、さっきまで青空だったのに、見る見るうちに空は真っ黒な雲で覆われ、
そのうちゴロゴロゴロ〜〜ッと雷が鳴り始めたかと思うと、突然、怒涛のように降ってくる。
浸水
近所の飯屋で。
子供の頃、台風が来ると意味不明に
ワクワク・ドキドキしたものだが、ここにきて、
久しく体験ていない興奮が蘇ってきて
妙に楽しい。

ある夜、近所の店で夕飯を食べていた
時のこと。例のごとく、雷の音が鳴り響き、
空が突然真っ暗になった。
「あっ、雨だ…。」 と気づいたら、ものの
15分程で店の中にも浸水し始め、そのうち
客が、端に端により出したが後の祭り。
あっという間に水浸しで、すぐ傍に止めてある車にまでも辿り着けないほどの大雨。

ドド〜ンと落雷の音が鳴り響き、空はまるでハリウッド映画のように雷で光っている。
その日は夜通しそんな感じだったが、朝になると、ウソのような青空が広がっていた。
ここは、ほんとうにダイナミックに景色が変化する場所。
夜の店
タマリンドにある店。
これで6:00PM。最近ようやく
早く終わる1日にも慣れてきた。
雨には困るが、大自然の迫力を肌で体感
できるのは面白い経験だと思う。

雨季で困ることと言えば、日照時間が短い
(夕方6時にはもう真っ暗になる!)ので、
1日が終わるのが早く、動く時間が
限られることだ。
一歩町を外れると外灯もなく、
その“暗闇度”といったら凄まじいものが
あるので、“日が暮れたら1日終了”と
いった感じ。

その他雨季で困ることは、なんといっても“蚊”の猛威にさらされること!!
お気に入りのSODA屋(定食屋)があるのだが、そこは周りを緑で囲まれている。
当然蚊も多い。だからなるだけ昼間行くようにしていたのだが、ある日のこと、
どうしてもそこのご飯が食べたくて夜出かけてみた所、刺されに刺されまくった。
蚊の跡
哀れ、蚊に刺された背中。
ものの5分のことだよ〜。
きっと蚊も我々の血を食べたかったのだろう。

コスタリカの蚊は刺すと痛いので、刺されたら
すぐわかる。恐ろしいのは服の上からでも
平気で刺す事。
食事はおいしいのだが、襲ってくる蚊の量が
凄まじく、まさに“食うか食われるか”状態。
生きた心地がしなかった。
以来、夜はこの店には行ってない。

…と、ここまで書くと、さぞかし我々がストレスだらけになっているのでは?と
心配する人もいるかもしれないが、それがそうでもないのだ、不思議なことに。
というより、はっきり言って居心地は極めて良いのだ。
ただいい波に当たってないだけなのである!

このまま観光に切り替えるか、理想の波を追い求めるか、結構瀬戸際に来ている。
こうなったら最終手段、Witches Rock&Ollie's Point(Endless Summer 2 で有名)に
行ってみるしかないっ。 その結果は次回で報告予定。 

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