Vol.67 『Montezuma』
  2002年11月28日

ノサラで快適なサーフィン&YOGAライフを送って2週間。
とんでもない大雨が2日間降り続け、ほとんど気が滅入り始めた頃、
唐突に雨が止んだ。その夜のことは忘れられない。

その日、コスタリカに来て初めての満天の星空を見た。
空に信じられない量の星・星・星!!!
どうやらグリーン・シーズン(雨季)が終わったらしい。

翌朝の抜けるような青空を見て、乾季の到来を確信!
長かった雨季がようやく終わった…。こうして知らない国の季節の変わり目を
肌で感じられる経験もそうないだろうと思われる。

ノサラでの心地よい生活にも名残りはあったが、雨季も終わったことだし、
晴れやかな気分と共に、移動してみようではないかと思い立ち、
兼ねてから気になっていたMal Pais(マルパイス)を目指すことにした。

Mal Paisはニコヤ半島のほとんど最南端にあるサーフ・ポイントだ。
例のごとく海沿いに下がれば距離的には近いのだが、恐ろしい悪路で有名な
場所なので、やはり内陸に一度入って移動することにする。
ノサラまで以外と楽に辿り着いたことで、気が大きくなっていたせいもあり、
簡単に考えていたのだが…。

Nosara〜Samara〜Nicoya〜Jicaralまでは舗装道路で順調に進む。
ところが、Playa Naranjyoに近づくにつれ道はガタガタ&ボコボコ道になり、
そこからPequeraまでの1時間あまりのドライブは、まさにロデオドライブでも
しているかのごとく酷い道だった(Negraへの道が延々続く感じ)。
(教訓その1) “コスタリカの道をあなどるなかれ!”

ニコヤ半島最南端では最も大きな町Cabano。ここがMontezuma(モンテズマ)
Mal Paisの分かれ道。思いのほか疲れたので数日Montezumaに寄る事にする。
ここは「ジャングルの中にある美しい滝」で有名な街。
小さなビーチタウンで、サーフィンは出来ない。

地図
Montezumaの地図。
バックパッカーやヒッピーが集まる
別名コスタリカの「GOA」と呼ばれて
いるMontezuma。毎夜パーティも
開かれているとの噂。
“ヒッピー”と聞けば行かないわけには
行くまい! ヒッピー好きの我々としては、
兼ねてから興味津々だったのだ。

・・・・・・・・が、街にヒッピーは居なかった。
ここ数年、ドラッグ問題で頭を痛めていた
地元民とビジネスマンの努力でディスコが
閉店させられたりして、街の空気が一変していたのだ。
シーズン前のせいもあるのか(?)、街も静かなものだ。
久々のナイトライフを期待していたので、ちょっとガッカリ。
(教訓その2) “物事は変化する。噂や記事をうのみにするべからず!”

街
Montezumaの街中。
電話機
通り沿いの電話ボックス。
ここから日本にかかることが凄い。

乾季にはロイヤルブルーになるというこの街を最初に有名にした滝も、
雨季の終わりで水が濁っていてイマイチだった。
海の色も乾季なら、今とは比べ物にならないほど美しいらしい。
(教訓その3) “雨季の観光名所は、はずす事多し!”

それでも暑さでバテていたので、とりあえず宿を探す。
今回滞在したのは「Amor de Mar」
町の中心から少し離れた海の目の前にあるロッジだ。庭にはたくさんのハンモック。

宿
「Amor de Mar」
宿の部屋
部屋の中。窓は無くて網戸。

いくつか見て、バルコニーから一番眺めのいい2階の角部屋に決める。
ベッドが1つにシャワーとトイレがあるだけのシンプルな造り。
部屋には窓ガラスのかわりに網戸が張ってあり、ほとんどオープン・エアーな空間。
エアコンはないが、海の音と風が心地よい。

宿のバルコニー
お気に入りのバルコニー。
リス
手を伸ばせば届きそうな距離に…。
リスもノビノビ暮らしてる。
昔イメージしていた“コスタリカの宿”に最も近い感じだ。
簡素でシンプルでオープン・エアーのイメージ。

しかし、サーフィンも出来ず、滝でも泳げず、ヒッピーにも会えず…。
街をウロウロしてみるも、10分も歩けばすべて見終わってしまう小ささ。
買い物できるほどお洒落な店もない。その代わりカフェはある。
ここはもう、おいしいものでも食べてダラダラ過ごすしかない!

Lucy Restarante
「Lucy Restarante」
TICO料理の店。
鳥
食事をしてると寄ってくる鳥。
自然が近いね…。

近所のTICO料理のレストラン。値段もリーズナブルで味もイケる。
海の傍に立ってる簡単な作りの店だけれど、流れている音楽はカッコイイ。
映画にでも出てくるような、素晴らしく仲の良い夫婦が経営している。

レストラン
とあるレストラン。
レストラン
夜はこうなる!
感動の食事。
ここで一番感動したのは、あるレストラン。
ジャングルのビーチ沿いに、木で組み立てたような店。
昼間散歩した時に見つけたのだが、テキトーな造りなのに可愛い。
夜しかやってないというので、夕食を食べに寄ったのだがほぼ満席だった。

メニューはその日に採れたものによって変わるらしい。
店の造りからは想像できないが、サービスも一流だし、そこで食べた食事は、
驚くほど美味しかった!! こんな店がこんな所にあるなんて…。 "It's so cool !! "
まだまだ奥が深いよ!コスタリカ!

パーティ三昧の予定は狂ったけれど、思わぬグルメな旅に満足。
3日間の“飽食の時代”へと突入したのであった。
この時の我々には、その後の悲劇は想像すら出来なかった事を先に言っておこう。

その後、食べ過ぎて重くなった体に鞭打って出発。
Mal Pais(マルパイス)に向かったのだが・・・・・・。

着いてすぐにアキヤンが、「お金が盗まれている!」と言い出した。
「盗まれたって、どこで?いつ?」と聞く私に、
「それがわかれば盗まれていない。」とのもっともな答え。
「知らないうちに使ったんじゃないのぉ?」(会計はアキヤン担当)
「いや違う。ここに入れといたお金が無くなっている!!」

どうやらリベリアで下ろしたお金のうち、USドルだけが無くなっているらしい。
いつもは分けていたお金を、たまたま1つの財布に入れたままだったのだ。
被害総額は約12万円ぐらいだと思われる。
(教訓その4) “お金は1箇所に保管すべからず!”

ここまで来て、まさかまたあの道戻って下ろしに行くわけにも行かない。
「無いもんはしょうがない。んじゃ、どうすんの??」
「・・・・・・・・・・・・・。」


こうして飽食の時代は終わった。
いきなり選択の余地なく、お久しぶりの“ヤリクリ生活”に突入!!
前途多難なMal Pais入り。さて、どうなることやら…??

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