Vol.88 『Cape Town』
 2003年3月24日

新しい土地に入ってまずやること。
それは「さぁ、ここは何が面白いのか?」と、遊びの予定を考えることである。

Cape Town
Cape Town
「Cape Town」南アフリカでは
Johanesburg(通称Jo'burg)につぐ
2番目に大きな都市だ。
Jo'burgと違って治安も良く、
この国の発祥の地でもあり、
「マザー・シティ」との別名を持つ。
有名なテーブル・マウンテンの麓には
近代的な町並みが広がっている。

ここまで南下すると海の水はかなり冷たい。
とりあえず、波乗りはここで終了だ。
サーフ・ボードを空港の荷物預かり所に預けてすっかり身軽になった我々、
残りの日々は観光に走ることにする。

早速、インフォメーション・センターに立ち寄ってみる。
入ってビックリ! 広いセンター内には、所狭しといろんなアトラクションや
観光地のパンフレットやチラシがびっしり…。
どうやらここには、面白いものや観るものがたくさんあるらしい。

Long St

旅行者に人気のLong St
港
ケープのベスト・カップル?
Waterfrontでアシカ発見!

まずは町の中心地、Long St.(ロング・ストリート)で宿を探す。
この国は『バッパー』のレベルが高いので、迷わず滞在は『バッパー』にしようと
探してみたものの、ハイ・シーズンのせいかどこも満室!
しかたなしにチェック・インしたのはホテル「METROPOLE」
『バッパー』並に安い割には居心地よく、Long St.沿いで便利もいい。
結局、最後までそこに泊まることとなった。

Cape Townの人口比率は他の都市とは違って、カラード(混血)と白人が多い。
そのせいかアフリカというよりは、ヨーロッパやアメリカみたいな雰囲気だ。
町の景色の背後にそびえ立つテーブル・マウンテンが見えてようやく、
改めてここがCape Townなのだと感じるくらいである。

町の中心地は意外と狭いが、ちょっと車を走らせれば、最近開発されている
人気のWaterfront(ウォーター・フロント)はすぐ近く。
ここはシドニーかバンクーバー?と思いたくなるほど、ハーバーには立派な
ヨットが浮かんでるし、ショッピング・センターやIMAXシアター、
レストラン&ホテルなども充実している本格的な観光地だ。

Sea Point(シー・ポイント)やその先にあるCamp Bay(キャンプ・ベイ)など
西側の太平洋に面した地域は、お洒落でマイアミのビーチ沿いといった趣で、
歩いているのもほとんど白人で立派なリゾート具合に驚いた。
Camp Bayなんて、夕日を観ながら食事するには最高だと思う。

ロープ・ウェイ
Table Mountainに登るとこ。
ロープ・ウェイの中より。
“晴れていたら迷わず登れ!”といわれる
テーブル・マウンテンはケープ観光の
ハイライト的存在。
ハイキングやロック・クライミングなど
何種類も登るルートがある。
約3時間半ほどで登れるらしい。
でも、先日のトランス・パーティの
疲れが残る我々は、迷わず、
ロープ・ウェイで登った。

テーブル・マウンテンは岩盤で出来た
1067mの山。頂上がスパッとナイフで
切り取ったように平らなため、この名が付いたという。
この山にかかる霧や雲は、“テーブル・クロス”と呼ばれていて、
地元の人は、その雲のかかる具合で天候を予測していた。

頂上

頂上はこんな感じ。
頂上からの景色
ロック・クライミングで降りる人。
ひぇ〜!見てるだけで怖いっ!

頂上にはきちんとトレイルが作られていて、歩き回れるようになっている。
あちらこちらにボコボコと大きな岩が見え隠れしているのが岩山らしい。
この日は快晴だった為、頂上から見える景色は素晴らしい。

すぐ近くにRobben島(ネルソン・マンデラ氏が収容されていたことで有名な
刑務所島。いまではユネスコの世界遺産となっている)が見えるし、
遥かかなたには喜望峰も眺める事ができる。絶景だ!!

ロープ・ウェイ入り口の傍には、“ロック・クライミングで下まで降りましょうツアー” があり、
元気なお姉さんが盛んに宣伝していたが、さすがにそれは怖かった。
でも、もしロック・クライミングが趣味の人がCape Townに来たら、狂喜乱舞するであろう。
だって、この町はそこら中が岩だらけ、まさに、“ロック・シティ” なのだから…。

さて、この国に到着して以来、私が一番楽しみにしていたものがある。
波でもなく、動物を観ることでもない。
それは…、「植物園」なのである!!

Kirstenbosch植物園
「Kirstenbosch」植物園。
プロテア
プロテアもいっぱい。

アフリカ大陸は「動物大国」だけではなく、「植物大国」でもあるのだ!
特に南アフリカには22,000種以上の植物があり、地球上の10%もの植物が
生息している。つまり、ここにはあらゆるタイプの植物が存在しているというわけ。
こんな条件の中、植物好きの心が騒ぐのも無理はないでしょう?

特にこの国の「植物園」は、その筋の人には有名な夢の場所。
ほんとは全部、観て周りたいくらいなのだが、今回はとても無理。
とりあえず、世界7大植物園の1つといわれる「Kirstenbosch」を覗いてみた。

「Kirstenbosch」は町中から車でわずか20分。
テーブル・マウンテンの麓にあり、敷地は528ヘクタールというから、
とんでもなく広い。敷地内は種類によってゾーン分けされた植物達がいっぱい。
全部観て回るには最低2時間は必要だ。

本でしか観たことがない植物や花が、そこらじゅうに咲いているし、
勝手観たこともない不思議な植物も無数に生えている。
思わず興奮状態で写真を撮りまくってしまった… (笑)。
(重たくなるので写真を紹介できないのが残念!)
「植物園」自体も大きいのだが、その周りを取り囲む景色も雄大そのもの!!
いつまでも、ボーっとしていたいウルトラ・ヒーリングな場所であった。

しかし、Cape Town近郊には観るものが多い。時間がいくらあっても足りないほどだ。
道路事情もすこぶるよいので、この町は絶対車があった方が楽しい。
ハイ・ウェイを高速で1時間も走れば、アッと驚くほど景色が変わる。

南アフリカ滞在も最終日に近づいたある日、
観光に勢いづいた我々は、アフリカ大陸最南端、Cape Pointに向かった。

ボルダーズビーチ
Boulders beach
アフリカペンギン
アフリカペンギン

道すがら、ペンギンのコロニーがあることで有名なSimon's Townに寄ってみる。
こじんまりとしたヨーロッパ風の町だ。ペンギン・コロニーがあるのは、
この町の「Boulders beach(ボルダーズ・ビーチ)」

“ペンギン見れるといいなぁ” という心配をよそに、ペンギンは至る所にいた。
アフリカ・ペンギンと呼ばれるこのペンギン達は、目の上にピンクのラインが
入っていてカワイイ。

風の強いビーチの上にはボーっと突っ立ってる無数のペンギン…。
冷静に考えたら異常な光景なんだろうけど、この国のダイナミックな自然に
慣れてきたせいか(?)、それを当たり前の景色として普通に受け入れてる
自分達に驚く。アフリカ・ナイズされてきたのかもしれない。

そのまま目的地のCape Point (ケープ岬)まで車を走らせる。
ケープ半島の先端は、広大な自然保護区になっていて、入場料R50を払って入るように
なっていた。車でそのまま入っていくと、目を見張る素晴らしい景色が広がっていく…。

ケープ岬
向こうに見えるのが
Cape of Good Hope(喜望峰)
昔、歴史の教科書で読み、テストにも
出てきた喜望峰を眺めている…。
なんだかフラフラと遊んでる間にとうとう
アフリカ大陸の端まで来てしまったかと思うと、
なんとなく感慨深いものがある。

それにしても南アフリカは視野が大きかった。
写真で伝えるのはほぼ不可能。
写真を撮っても、景色の10分の1の空間すら
切り取れない。広すぎる空間に強い光…。
緑の背が低いのも、空間の広さに
拍車をかけている。

目に入る緑も、一見地味な配色に思えるが、よくよく近づいてみると、
変わった質感や奇妙な形でユニークそのもの!花も凄く綺麗で美しい。
どうやら、この国を見るには『魚眼レンズ』と『虫眼鏡』の両方が必要みたいだ。
広大な空間に負けないよう、よ〜く目をこらしてないと見えない世界が
たくさんあると思われる。

最初は驚いたスペースの広さも、滞在する間、パノラマ・ビューの連続で、
すっかり“パノラマ慣れ症候群”になってしまった。
それでも毎回驚くのは、『夕日』だ。

アフリカの夕日
アフリカの夕日は凄いよ!
南アフリカの空は美しい。
空気が澄んでいるせいか、
青さもひときわ抜きん出ている。
そして、そこに沈む夕日は
言葉を失うほどキレイだ。
空間のスケールが大きいということは、
それだけ『夕日』のスケールも
大きいということ。

360度ピンク色に染まる空。
こんなに空のキャンパスが広ければ、
さぞかし神様も、『夕の描きがいが
あるというものだろう…。

ついこの間来たかと思うのに、もう旅立ちの日がやってきた。
あっという間に終わってしまった感の南アフリカである。
1ヶ月ちょっとの滞在では全然足りなかった!!
日本の3倍程の面積を持つこの国には、まだまだ観るべきものが
たくさんあるに違いない。

最初にこの地に来た時から、どこかでみたような風景のような感じがして
ならなかった。それは日本風であったり、アメリカ風であったり、
ヨーロッパ風であったり、カリブ海風であったり… 様々な国風なのであった。

でもそれもこれも、アフリカ大陸が人類のルーツであることを思い出せば、
すべて合点がいく。この国はどこの国でもあるのだ。
そして本当は、どこの国とも似ていない。

大自然、動物、植物、人、都会、田舎…。
少し動くと目まぐるしく風景が変わる。
“1st. world ” “3rd. world”が同時に存在している不思議な国。
南アフリカは、まさに「これからの国」だった。

是非もう一度、今度はゆっくりと訪れてみたいと思う。
面白かったよ南アフリカ!また会う日まで!!

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