Vol.90 『MAURITIUS 2』
 2003年4月3日

『食中毒』と共にサイクロンは去った。
しばらく波には恵まれそうにもない。

思えば、ジャマイカでは風邪で、南アフリカは水の冷たさにメゲ、
それでは!と意気込んで入ったここMAURITIUS(モーリシャス)では
『食中毒』で見事、波を外してしまった。
勿論波乗りの為だけに旅しているわけではないので、それなら他を楽しめば
よいのだろうが、サーフ・ボードが手元にあるとなんとなく落ち着かないものだ。

ここらでシンクロニシティでも変えてみるか?
そんなある日とうとう決断する!!
「サーフ・ボード送るか?」
「・・・・そうだね。」

波が無いおかげで踏ん切りがついた。この国は意外と郵便事情もいい。
そうしてとうとう、サーフ・ボードを送ってしまった。

身軽になったことだし、さて、これからどこに行こうかといろいろ考える。
どうせだったら治安が良くてリラックス出切る所がいい。
ここはインド洋に浮かぶ島。ここから行ける所で面白そうなところと言えば・・・
・・・・・・、「インド経由でNEPALだ!!」

いつもはシーズンで混む(インド人のハイシーズンなので3月は飛行機が一杯)エアーも、
戦争で揺れてるこの時期、キャンセル出る可能性は高い。
とりあえずキャンセル待ちで予約を入れて、あとはそれまで島でのんびりしよう。

グラン・ベイ
Grand Bayの町。
グラン・ベイ
Grand Bay。いつもボートが一杯。

MAURITIUSのノースは観光客も多いちょっとにぎやかな所。
中でも「Grand Bay(グラン・ベイ)」は、ホテル、店、レストランも充実していて、
ノースの中心的町である。海の色は半端じゃなくキレイだが、
ここはビーチではなく港である。透明な海にボートがたくさん浮かんでいる。

ペレベベ
Perebebe
そこを通り過ぎて、更に北に向かうと
「Perebebe(ペレベベ)」がある。
美しいビーチがある小さな村だ。
ビーチ前に公園があるためか(?)
休日ともなると、地元民の憩いの場となり
にぎやかになる。
ホテルもゲストハウスもたくさんあり、
長期旅行者やリピーターに人気の場所だ。

この辺りには、2箇所ほどサーフ・ポイントも
あるのだが、サーファーはほとんど見かけない。
白人系移住者の子供達がたまにサーフィンしているだけである。
サイクロンの時は素晴らしい波が立っていたが、今は静かで穏やかなもんだ。

昔(20〜30年前)からやってるゲスト・ハウスなども多く、宿の家賃も安い。
リゾートというより、“南の島の村”といった空気が漂っていて気に入った。
ここはやっぱりゲスト・ハウスの方が気持ちよさそう…。

いくつか見て周った結果、この辺りでは宿の値段はテキトーについてることが判明。
つまり、値段と部屋のバランスがマチマチなのだ。きれいな部屋で1000円くらい
のもあれば、ボロボロの汚い部屋で3000円というのもある。
それでもほどなく、ビーチに近い感じいい宿が見つかった。

ゲスト・ハウス
「L'ESCALA」。
部屋
部屋の中の様子。

Perebebeビーチの道路を挟んで向かいにある『L'ESCALA』は、
中国人オーナーによるゲスト・ハウス。フランス語を喋る元気なおばさんが
ここを切り盛りしている。エアコン&キッチン付で3300円。
レンタカーも1日2500円と安い。ここに来てようやく物価もわかってきた。

名前忘れた!良く見かける赤い鳥。
すごくカワイイ。赤い色は夏の間だけ。
冬になると茶色の普通の小鳥になる。



Panini。パンにチーズやハムをはさんで
プレスしたもの。モチモチした歯ざわりがおいしい!

MAURITIUSに来る観光客は、ほとんどがフランス人。
彼らがこの島を訪れるのは、まずなによりもフランス語が通じるからというのが
大きいみたいだ。フランス人ほど母国語にこだわる人種も少ない。
彼らにとって言葉や習慣を変えなくていいリゾートは願ってもないパラダイスなのだ。

小さな赤ちゃんを連れてるカップルも多い。
赤ちゃん連れで平気で長期旅行にくるフランス人。さすがバカンス族の面目躍如
といったところか…? ビーチに寝そべる女の人は当然トップレスである。


Berebebeのビーチ。

ポリスマンの制服もユニーク?

日中の陽射しはかなりきつい。夜も暖かくタンクトップで1日中大丈夫。
ここは正真正銘の“常夏”なのだ! 毛穴は、もう開きっぱなし。
海の水は温かく、透明度も抜群。
日焼けしたり泳ぐのに、こんなに気持ちいいビーチはない!!

つくづく、“ビーチのある生活”というのは、人の気持ちをゆるませるものだと思う。
MAURITIUSには美しいビーチがたくさんある。
エメラルド・グリーンの珊瑚礁に囲まれた島に暮らす人々は、どこか心に余裕が
ありそうに見えるから不思議だ。

MAURITIUSは自然公園や近隣の島めぐりなど観光も充実しているのだが、
この際それらを無視して、のんびりビーチ・ライフを楽しんでいる。
ただし、唯一、外せなくて観にいったもの…

夢の実現?!
「Victoria Amazonica water lilies」
それがここ!

「SSR Botabucal Gardens」内の池に
プカプカ浮かぶこの植物、どこかで見たこと
ないですか?!
ちなみに私がこの植物を見たのは
幼い頃、『世界不思議辞典』みたいな
もんで目にしたのが最初だ。
その写真は白黒で、巨大な葉っぱの上に
子供が乗っているものだった。


進化の過程。右下のつぼみが
左下の葉っぱみたいにシワシワと開いていき、
徐々に丸く大きく伸びていく。

花はキレイ。

確か原産はアマゾンかどこかだと思うが(?)、それはなぜかMAURITIUS
植物園の中に存在していた。『giant Victoria Amazonica water lilies』という
長い名前が付いているハス科の植物である。半径1m以上はあろうかと
思われる葉っぱが、そこらじゅうに浮いてる姿は圧巻である。

“そういえば子供の頃は、この葉っぱに乗るのが夢だったなぁ…。”と、
突然思い出す。さすがにすっかり大人になってしまった今となっては、
今更、葉っぱの上に乗る気は無い(笑)。
それでも子供心に“いつかは観てみたい!”と思っていたものと
意外なところで出くわすことになり、すっかりうれしくなってしまった。

同時に、人間成長していく過程で、たくさんの夢を無意識に忘れていくものなのだ
ということに気がづいて、少し怖くなる。
“何か忘れてる夢はなかったかな?”などと思わす記憶を辿ってみたりして…。

あなたも子供の頃の夢で忘れているものはないですか?
生きてるうちに思い出そう。
生きてるうちに巡り合おう。
そうしたらきっと、パズルが埋まるようなすっきりとした
幸せな気分を体感できるよ。

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